家業を継ぐ前に他社で経験を積むべきか?

家業に入る前に他社ではたいてみるべきか?

たとえば高校や大学を卒業して、すぐに家業に入ったほうがいいのでしょうか。もしくは、ひとまず他社に入って外の世界に入ったほうがいいのか。こんな論点があります。

会社を継いだことのある経験者、とくに成功している後継者社長に質問してみたところ、大半の人は「一度他社に就職してみて、外の世界を知った方がいい」と答えます。

その理由には「自社しか知らないと発想が限られてしまうし、自社の常識に凝り固まってしまう」という意見が多くありました。

また、自社に入れば仕事がわからない若造でも、後継者候補という一目置かれた人材として扱わるケースが多いでしょう。これに対し「親の威光が届かない世界で、理不尽を経験してみたほうがいい」とう意見も聞かれました。

 

どんな会社で経験を積むか

いきなり家業に入るより、その前に他社へ入社してみる派の方が優勢なようです。ただし、どんな会社に入るのかはよく考えたいところ。

例えば、会社の大きさの問題があります。

自社と同じ業界のリーディングパニーに務めるケースがあります。

家業は中小企業で、務めた先は大企業だったとしましょう。すると仕事のやり方や内容は全然違うのが普通じゃないでしょうか。たとえ同じ業界であってもです。

大手のほうは通常、分業化され、仕事のこなし方が洗練されています。一方の家業はその真逆のケースも多いはず。洗練されていなくて、一人の人間がいろんなことをしなければ仕事が回りません。

大手に入れば業界の先端に触れられますが、会社の全体像は見えません。また、分業などの洗練された仕事スタイルを当たり前と感じるようになるでしょう。これはいざ小さな会社で働きだしたときにギャップで苦しむことにつながる可能性があります。

千葉の物産を扱う株式会社やますの諏訪寿一社長にお話を聞ける機会がありました。諏訪社長は13年前に父親からバトンを受け継ぎ、グループ会社を7社、スタッフは50人から220名に増やしています。

自分の経験から「親の会社を継いだら、これぐらいの会社に成長させたいと思うぐらいの会社を見つけて入社した」と、語ってくださいました。

こんな考え方もありですね。大学の同級生は上場企業などの大手に就職する人ばかりで、どうしてそんな名前を知らない会社に入社するのかと、周囲からは不思議がられたそうですが。

 

別の論点では「同業で働くか、他業種で働くか」もあります。

自社と同じ業界で働けば、仕事は覚えられるし業界内の人脈も作れそうです。

しかし、業界の常識に凝り固まってしまうマイナスもありそうです。他業種で働いていたのに、家業に入ってから会社を成長させた後継者社長はいくらでもいます。

 

 

どこで経験を積めばいいのか正解はないと思います。後になってみなければ、実際の良し悪しはわからないものでしょう。

最後は、成長できる経験を積むことを念頭に、自分の感覚を信じるしかないのかもしれません。

 

何年修行するか?

他社に入社した後の論点は、何年ぐらいそこで働くか、でしょう。こちらはケースバイケースな気がします。

ただ、いろいろ話を聞いていると、できる人ほど短期間で会社を辞めた傾向があるように思えてきます。

石の上にも3年と言います。でも、それより短い期間で会社を辞めて成功した後継社長はたくさんいます。できる人ほど見極めが早いものなのかもしれません。

あまり組織に守られた状況が続くと、いわゆるサラリーマン根性が染みついてしまうという弊害も出てきそうです。

仕事によっては、長く修行をすべきだという常識に縛られている場合があるようです。しかし、実際はどうなのか、を見極めたいところですね。

▽この記事をシェアする