社長の相続を放棄しつつ、資産を子供に継承するには?

 

相続放棄をしたら資産も手に入らない

 

昨日のブログで、
社長の個人保証を相続したばかりに破産してしまった娘さんたちのお話
をしました。

それを防ぐには相続放棄をするしかなかった、とも。

 

ただ、相続放棄をすれば、
借金や個人保証などの負から解放されます。

同時に資産も相続できなくなります。

たとえ目の前に
亡き親名義の1000万円の預金があったとしても、
子はそれに手をつけることができないのです。

 

 

相続ではないルールで戦う

 

ここで考えてみましょう。

連帯保証のリスクを考えて相続放棄をしつつも、
資産を承継する方法はないかを。

 

いいとこどりはできないのが相続のルールです。

このルールに乗っているかぎり、
資産を手に入れることはできません。

だったら、違うルールを使えばいい、
というのが発想の出発点です。

親子だって、別々の人格を持ちます。

相続をしなくたって、
一般人間と同じように贈与や売買はできるのですから。

 

 

生命保険を活用

 

そこでまず思いついたのは『生命保険』の活用です。

社長を被相続人とし、
保険受取人を子供にしておきます。

社長が亡くなれば生命保険会社から、
受取人に保険料が支払われるようになりますね。

 

お子さんはこのお金ならば
受け取ることはできるのではないでしょうか。

保険料は親の相続財産ではなく、
保険会社とお子さんとの関係において
生じたものだからです。

 

 

死因贈与も

 

もう一つが『死因贈与』の利用です。

「贈与」はみなさんがお知りの法律行為です。

「これ、あげますね」というやつです。

それに「自分が死んだときに発生する」という
条件を付けたものが死因贈与なのです。

本人が亡くなったときに贈与が発生するとなると、
相続とすごく似たことになるのですが、
ちょっと違います。

相続と違って、
贈与は一部だけをすることができますからね。

これを利用して親から子供に贈与をすれば
資産を承継できるのではないでしょうか。

 

こんな疑問が沸くかもしれません。

「他の債権者が黙っていないのでは?」と。

確かにそうなんです。

他の債権者の負債を支払わないのに、
子供だけが先に贈与を受けたとなると
当然クレームがつけられるでしょう。

 

ただ、今回は個人保証を想定しています。

個人保証ならば
まだ債権者から請求を受けていないかもしれません。

そのときまで贈与を禁止される筋合いは
ないようにも思うのです。

 

分かりにくいかもしれないので、
もう少し場面から説明しましょう。

まず社長が会社の銀行からの借金を個人保証しました。

つぎに、その社長が死亡しました。

しかし、このときはまだ会社が
正常な返済を銀行にしています。

ならば銀行は個人保証に基づく請求を
している段階ではありません。

このタイミングに行われた贈与ならば
成立する可能性があると考えるのです。

 

 

まとめ

 

上記のようにいろいろと策を考えてみました。

しかし、これらをやれば
確実にお子さんに資産が継承されるというわけではないという点を
理解しておいてください。

法律の問題は、その行為だけでなく、
状況などを総合的にとらえて判断されるものです。

契約書などの形式を整えておいたとしても、
他の事情から無力化される可能性だってあります。

 

ただ、何もしなければ何も得られません。

これが一番大切なことです。

確実ではないけれど、
可能性を増やすためにやれることをやっておくのです。

未来のためにそのほうがいいのではないでしょうか。

 

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