廃業の支援事例

廃業しても借金が残る場合は?~廃業の決断&事業と借金の整理~

『問題の所在』
■ 身体的な問題でこれ以上事業を続けられない
■ 事業を止めると借金が残る
■ 廃業した後の従業員や事業のことをどうするか?

「廃業したいから手伝って欲しい」
こんな相談を持ちかけてきたのは、
アパレルの小売業を営んでいたオーナーです。
病気と年齢のために視力が弱まり、
「もうこれ以上仕事を続けることはできない」と廃業を判断したそうです。

廃業の手続では、資産を換価して負債を支払います。
ところが、決算書を見ながらそのシミュレーションをしてみると、
結構な額の銀行からの借金が残ってしまいそうです。

残った借金については個人保証をしているので、
オーナーの個人資産でまかなう義務があるのですが、
とても残る借金を返済するほどの個人資産もないとのこと。
そんな話をオーナーとしましたが、
「これ以上仕事ができないのだから廃業は仕方ない」との結論になりました。

方向が決まったところで、廃業の手続を進めていくことになりました。

最初に「店をそのまま引き受けてくれそうな人(会社)はいませんか?」と、私たちは質問しました。
廃業の場合、通常は最初に営業を停止し、
それから個別の資産の換価を行うのが一般的でしょう。
しかし、私たちは資産を個別に扱うのではなく、お店(=事業)としてまとめて換価できないか、と考えたのです。
そうすることで、資産の売却をする手間が省けるし、店舗を元のすがたにもどす回復費用がかかりません。
事業を引き継いだ方が雇用を維持してくれる可能性も生まれるし、結果的に個別に資産を売却したときよりも高く換金できるかもしれません。

幸いオーナーには思い当たる相手がいるということでした。
その相手に話を持ちかけたところ「是非やりたい」ということです。
売却金額も見積もりました。

次に、オーナーは銀行に対して廃業の決断を報告し、
さらに、事業譲渡の打診をしました。
個別に資産を換価して廃業した場合のシミュレーションと、
事業譲渡の契約内容を銀行に提出し、事業譲渡は銀行にとって損はないこと(むしろ得でした)を伝え、取引の可否を問うたのです。
銀行サイドは、快くOKを出してくれました。

なお、廃業することを銀行に伝えるときに反発を恐れる方がいらっしゃるかもしれませんが、 現実はあっさりとしたものになる場合が普通だと思います。

銀行からの了解をもらってから、事業譲渡により資産を処分し、
その金額を借金の返済に充てました。
それでも従前の予想通り大きな借金が残り、
債権は銀行から保証協会に移されます。

残った借金の額とオーナーの収益力を考えると、完済は難しいところです。
破産をすることも検討しましたが、本人の意向により
少しずつでも支払っていく方向で話を進めていくことになりました。

オーナーは今後の収入と生活費から返済に回せそうな額を見積もり、 保証協会にこの額を超えない範囲での月々の支払いにしてほしいと持ちかけました。
保証協会もこの提案に応じ、これで一連の廃業の手続が終了したのです。

しっかりと債権者に情報を伝え、数字をオープンに公開したことで
スムーズに話が進んだのでしょう。

『成功のポイント』
■ 資産や事業の価値を保って、できるだけ高く売る
情報を債権者に伝え、堂々とオープンに進める

清算と事業譲渡でお金を残す

清算と事業譲渡の合わせ技でメリット増大

 

一般的には廃業の決議がなされてから営業を停止して、それから清算事務として資産の換価に入ります。

しかし、ここで単に個々の資産を換価せず、

事業譲渡を使うことで、

メリットを増大できる場合があります。

あるアパレル会社の廃業戦略

 

あるアパレルの会社では店をそのまま引き受けてくれそうな人(会社)を探しました。

資産を個別に処分するのではなく、「まとめて誰かに引き継いでもらえないか」と考えたのです。

そうすることで、個々の資産の売却をする手間が省けるし、賃貸物件の原状回復費用などが要らなくなります。

事業を引き継いだ方が雇用等を維持してくれる可能性も生まれます。

そして結果的に、個別に資産を売却したときよりも高く換金できる場合が多いのです。

 

幸い相手が見つかりました。

買い手とすれば、この事業を引き継ぐことで、すでにできている商売の仕組みが手に入ります。

自分で同じものを作ろうとすれば、相当な時間や労力やお金がかかってしまいます。

それが一瞬で手に入るのですから、悪い話ではないはずです。

 

銀行が黙っていない?

事業譲渡を使う手は良さそうだけど、それをするには
「銀行をはじめとする債権者が同意してくれないのでは?」
と疑問が沸いた方らいらっしゃるかもしれません。

 

でも、結論を先に言えば、同意してくれました。

しかも、この会社は資産を清算しても、銀行からの借金を返済しきれない会社だったのです。

全ての借金を返せるならば、銀行としたら
「あとは勝手にしてください」
というスタンスでしょう。

 

ところが全ての借金の返済を受けられないとなれば、銀行としては黙っていられないはずです。

それなのになぜ同意してくれたのでしょうか。

 

まず前提として、会社をやめることを銀行は止められません。

強制的に営業を続けさせる権利はないのです。

そうなると廃業や清算を認めざるを得ません。

できることは、適正な価値で資産を換価し、返済に回してくれるのを監督するだけです。

 

そこで資産を換価する手段として事業譲渡を用いれば、銀行にとってもメリットとなるプランを描けることがあります。

普通よりも早く高く換価できる可能性が高いでしょう。

雇用などの地域経済へのダメージも減らせます。

仮にこの取組みですべての借金を返済することはできないとしても、銀行からすれば「何もしないではいぎょうされるよりはマシな話」にできるかもしれません。

 

銀行の出方を恐れる方は反発を恐れる方が多いかもしれません。

しかし、しっかりと情報を開示すれば聞く耳をもってくれます。

そして、描いた絵がみんなにとってメリットがあるものならば、合意してくれる可能性はあるはずです。

事業譲渡のやり方

事業の譲り方はどうすればいいでしょうか。

本ケースではたまたま事業譲渡という法律手法で話をしまいた。

他にも会社分割という手法も利用できます。

どちらがいいかや、手続きなどどうしたらいいか、さらには注意点は・・・

細かい話はいろいろとありますが、そのあたりは専門家の頭を利用したほうがいいところだと思います。

 

→ 廃業・清算支援について

→ おわりを考える社長のメルマガ

 

会社の「たたみ方」(廃業・清算)

廃業こそ社長の出口の王道かもしれない

本サイトは事業継承や継業を主なテーマに、社長の出口を研究するサイトです。

しかし、『廃業』にも力を入れています。

事業継承(狭義)であっても、廃業であっても『社長の出口』という意味では同列に扱うべきだと考えているからです。

 

しかも、いくつかある社長と会社の出口のなかで、廃業だけが自己完結できるものです。

ならば廃業できるような退路をまず確保しておくべきではないでしょうか。

廃業というとネガティブなイメージを持たれがちですが、私はそう思いません。

「自分でやっていた事業を自分の手で片づける」

これは原則だと感じています。

 

世間では事業継承が進まないことの問題点を騒ぎます。

しかも後継者さえいればそれが実現できるかのような・・・

しかし、技術や先代の人間力など、継ごうとしても後継者が継げないものの方が実は多いはずです。

そんな現実もふまえ「いざとなれば上手に廃業できること」も視野にいれつつ対策を練りましょう。

 

『廃業・閉店・清算』のコンテンツ

さらに詳しく廃業、解散、閉店、清算などについて研究してみます。

詳しい記事へはタイトルをクリックして進んでください。

「廃業の考え方・判断基準」

廃業とはなにか、どんな状況になったら廃業の決断をすべきかなどを検討。

「廃業の流れ・手続き」

具体的な廃業の進め方や必要となる手続きについて。

「上手な廃業・清算のコツ」

上手に廃業するためのコツや、進めていくときに気になる論点を。

「廃業すると借金が残るとき」

廃業したいけど借金が残るからどうしたらいいか・・・という課題を検討します。

「不動産処分(親子間売買・任意売却)」

廃業の際における不動産の処分、担保物件の扱い方、自宅の残し方について。

「清算と事業譲渡でお金を残す」

資産を個別に売却するのではなく、事業ごと高く売る方法。

廃業支援の事例

 

廃業・清算支援について

「会社を無事に着地させる」廃業・清算コンサルティング

 

「会社を無事に着地させる」廃業・清算コンサルティング

廃業・清算にも戦略が必要

会社の廃業や清算というと、ネガティブなイメージを抱く方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、ちゃんと終われること、無事に安心できる状態になれることは、とても大切なことだと考えています。

ちまたには、いつまでも着地できずに苦しんでいる会社や社長が山のようにいるのも現実です。

そもそも撤退戦はとても難しいものです。

 

廃業や清算時の失敗パターン

●時機を逃してしまった会社

タイミングを誤ることで、しっかり廃業すらできなくなってしまった例はよくあります。
時間が経過したことで、財務状況がより悪化してしまい、債権者への返済がままならなくなるようなパターンです。
その背景には、社長の決断の遅れや、M&Aへのチャレンジの失敗等があります。

社長がお金や自宅を失ってしまったパターン

廃業は法律のルールの上で行うので、完全に自由なわけではありません。
しかし、ある裁量や工夫の余地はあります。
逆に言えば、下手なやり方のために、手元に残せたお金や自宅を失ってしまうケースもあります。

●優先順位を誤って混乱を招いた会社

手元にあるお金を、どの債権者にどの順番で返すか。
どんなコミュニケーションをとればいいか。
このあたりにも戦略が必要です。
とくに、負債を支払うために、不動産の売却まで必要となるようなケースは特に細心の注意をしたいところでしょう。
やり方を誤ると、混乱を招き、余計な敵対関係を生んでしまうことがあります。

●残せる事業まで潰してしまったパターン

上手にやらば、廃業の前提として事業を残し、雇用も守れる場合があります。
しかし、行きあたりばったりの会社や、余裕がない状態にまで追い込まれてから廃業を決断する会社が多いところです。
そうなると残せたはずのものまでダメにしてしまいます。

●借金のために止めるに止められない会社

「廃業すると借金が残るから止められない」というケースは頻繁にあります。
利益が出ていて、時間をかければ返済を終える見込みがあるなら一理あります 。
しかし、利益が出せず、返済の見込みがないのに、ただ時間を稼ごうとするならば立ち振る舞いを考えなおすべきでしょう。
状況を悪化させているだけの会社が大半だったりします。

 

着地を成功させるには

おわりの場面でも、たくさんの失敗が生まれています。

無事に着地するためには何が必要なのでしょうか。

私はこれらの要素が成功のポイントになると考えます。

①早めに準備をはじめること

②思い切って撤退を決断すること

③終結までの計画性を持った立ち振る舞い

④関係者との利害調整の工夫

⑤経営や法律、財務税金、手続きへの広い視野

⑥未知な未来に挑む勇気

 

廃業・清算コンサルティングの特徴

私は、無事に会社の着地を迎え、社長やそのご家族に安心を手にしていただきたいと願っています。

また、できる限り多くのお金を手元に残せることを目指します。

 

人間感情を重視

頭ではもうあきらめたほうがいいと分かりつつ、いつまでも廃業の決断ができない社長がいます。

人間は感情の動物です。

感情面を整理できなければ、先に進むことができません。

私は、この点を重視し、感情整理にまで寄り添います。

これは、ただ法律的に正しいことや、世間的な一般論を語ることではありません。

同様に、債権者であったり、社長のご家族の感情にも注意を払います。

敵対してしまうか、納得してもらえるかで、着地までの道のりの難度が大きく変わります。

 

撤退計画の立案

廃業を決意したとしても、その後の進め方は一本道ではありません。

それぞれの会社ごとに背景や利害関係が異なります。

そこまで踏まえたうえで、よりよい道を進みたいところ。

視野を広く持ちつつ作戦を立てていきます。

「銀行にどんな言い方をすればいいのだろう」

「従業員に打ち明けるタイミングと方法は」

「家族に迷惑をかけないで済まないか」

こんな社長の様々な不安や悩みにも、お応えしていきます。

 

実行に寄り添う

計画を立てたら実行です。

従業員への説明。

銀行への報告や協力要請。

資産の処分など、さまざまなアクションを行います。

進捗を管理し、適時判断のサポートをし続けます。

必要な場合は、資料や書面の作成、手続きコーディネートも担います。

 

資産の処分や事業譲渡

廃業を決めたら、資産を換価して現金化します。

その際の利益を最大化させるよう努めます。

同様に、そのタイミングで事業を他社に譲渡することで、利益を最大化したり、雇用等への損害を最小化させられることもあります。

このあたりの企画や実行もお任せいただけます。

 

その場その場の決断が勝負

廃業を進めていくときに、判断が難しい場面が何度かあることでしょう。

しかも、正解はありません。

例えば、不動産を売らないと銀行への返済資金が足りなくなる場合。

売れるまでの時間が欲しいけれど、債権者だって黙って言うことを聞いてくれません。

また、廃業すると聞いた仕入れ先が、
「これまでの買掛金を一括で払ってほしい」
「今後の取引は現金で払ってもらえないとできない」
と言ってくることもあります。

こんなときどうするか。

その都度、状況を考慮し、将来のゴールを見据えながら、決断を繰り返さなければいけません。

そのために、状況の整理と判断のアシストを行います。

 

自宅の差し押さえリスクや借金が残る場合も・・・

廃業や清算では、経営者の個人保証が付いた借金が残ってしまう場合があります。

会社で返済できない分については、社長個人が責任を負わなければいけなくなります。

結果、自宅を手放さなければいけないケースも・・・

法律のルールがあるので絶対に大丈夫だとは言えません。

(そんなことを言ってくるコンサルタントがいたら要注意です)

でも、よりベターな結末にたどり着くことは可能かもしれません。

 

廃業や清算の費用や期間

廃業や清算のコンサルティングを受ける場合の、一般的な費用と期間は次の通りです。

実際には、状況と私の役割を確認したうえで、見積もりをお出しさせていただきます。

  • 月額:およそ7万円から15万円
    ※登記や税務手続等の実費は別
  • 所用期間:5ヵ月から8ヵ月

※)明らかに負債が残るケースなど、債務整理や破産がテーマになるような場合等は弁護士への依頼をおすすめすることがあります。

※)どうしても予算をかけられない場合や、難度が高くない場合は、リーズナブルな簡易版のコンサルティングも可能な場合があります。

 

 

廃業や撤退を考える方へ

おわりの場面では、たくさんの失敗が生まれています。

しかも、もう後がないのですから挽回の機会はありません。

残酷です。

廃業等の撤退で失敗したときに失うものの大きさに、一度思いを巡らせていただきたいところです。

金銭もさることながら、お金には代えられないものまで失ってしまうかもしれません。

一方、無事に着地を迎えられたときの安心は、何物にも代えがたいものでしょう。

 

まずは早めの相談をおすすめします。

奥村がお役に立てそうならば、お気軽にお声がけください。

 

※ご相談の申し込み、お問合せはこちらからお願いします※

→ 問い合わせフォーム

 

廃業で自宅等の不動産を処分するとき

清算時の不動産処理について

清算活動における
所有不動産の処分についてまとめてみます。

 

通常の清算の場合

まず普通の場合。

銀行の担保が問題でなく、
また、清算したときに借金が残らないケースを想定します。

会社で不動産を持っていたら、
清算を終わらせるためにそれを処分する必要があります。

解散し、清算中だろうと普通の不動産売買と変わりません。

買主を探し、見つかれば法人が売主となって契約等を行います。

 

あえて注意点をあげれば、売り急がないことでしょうか。

不動産という大きな資産なので、
通常でも売却に時間が係る場合がよくあります。

さらに、工場やオフィスなどの特殊な物件となればなおさらでしょう。

売却を焦ると、足元を見られてしまう恐れがあります。

 

社長が土地や建物を買い取ることができるか?

会社所有の不動産を廃業のために売却するのですが、
その売り先は社長でもいいのでしょうか。

「資産価値が上がりそうだからまだ手放したくない」

「会社名義の家に自分が住んでいるから他に売れない」

こんな要望がある場合だってあるでしょう。

 

不動産の処分において、社長が買い取ることは可能です。

自社の社長だからと除外されることはないのです。

ただ気にしていただきたいポイントはいくつかあります。

 

一つに、取引を自分で操作できるからと言って、
変に安い価格で売買すれば
税金上の問題となる恐れがあります。

不動産鑑定などで時価を導きだし、
その証拠を残しておいたほうがいいでしょう。

廃業で負債が残るような場合では
「不動産の処分価格が安すぎる!」と
クレームがつくことだってあり得ます。

 

 

もう一つ考えていただきたいのは、
不動産の移転コストの問題です。

不動産の名義を移そうとすれば、
登記の印紙代や不動産取得税などのコストが
それなりに必要となります。

そこまでしても個人に名義を変えたほうがいいのかを
考えていただきたいのです。

場合によっては、
法人を存続させて不動産を持たせ続けたほうが
トータルの費用は少なくなるかもしれません。

 

本業の部分は幕を閉じても、
会社を不動産を活用する賃貸会社に転業することができます。

たとえば、アパートやテナント事業、
駐車場の運営などです。

そうなれば不動産の名義変更もいらないし、
会社の廃業届も不要です。

 

もちろん賃貸業が成功するかはわかりません。

「誰でもアパート経営で相続税対策ができる」
という甘い言葉に騙されて
苦しんでいるケースもありますから。

しっかりとリスクと勝機を見極めて
いただきたいところです。

 

 

借金が残る清算のときの不動産処分ならば?

ここからは、借金が残ってしまう場合の廃業のお話です。

清算して資産を返済に回しても借金が残ってしまうとどうなるか。

社長は個人資産を取り崩してでも
返済しなければならない場合がほとんどでしょう。

個人保証があるからです。

もし自宅が自己所有ならば
それも売らなければならなくなるかもしれません。

債権者サイドが競売をかけてくることもあり得ます。

そうなると住み慣れた自宅から
出て行かなければなりません。

どうしてもそれだけは避けたいという方もいらっしゃるでしょう。

 

子供に買ってもらう?【親子間売買】

そんなときに「親子間売買」が行われることがあります。

その名の通り「親子で不動産の売買を行うこと」です。

お子さんが社長の自宅を残すためにお金を出し、
会社の借金や住宅ローンを返済することで
家を手放さなくても済むようになるという手法です。

 

親と子供が、親の自宅を売買する。

話は単純です。

ただやってみると難しい面ががあります。

一番の壁は資金調達でしょう。

 

子供が時価相当の現金を持っていれば、
それで買うことができます。

しかしほとんどの場合、
そんな現金を持ち合わせていません。

借金をしなければお金が作れないのです。

通常ここで引っかかります。

親子間売買だと銀行は
「なんだか怪しいぞ」と見られてしまうのです。。

ただでさえ保守的な業界です。

しかも、親子間でお金のやり取りをして売買をするとなると・・・

 

銀行は「ただ売買が成立すればいい」とは思っていません。

後々トラブルに巻き込まれることも恐れているのです。

このケースでは、
会社の債権者から訴訟を起こされるリスクまで考えるのです。

 

 

では、どうやれば親子間売買を利用することができるのか。

やはりプロの力を借りることでしょう。

第三者も交え、契約書などの形式を整えなければなりません。

銀行に状況を説明して、
リスクがない状況を作ってあげることも必要でしょう。

これは一般の方にはそうそうできることではありません。

仮にその力量はあったとしても、
銀行は当事者である人間のことは信じようとしないはずです。

 

競売を回避する任意売却とは?

借金の返済を受けられなければ、
担保を取っている債権者は裁判所に競売をかけます。

しかし、そうなると申し立て費用もかかるし、
時間もかかります。

通常の取引よりも売値が下がり、
結果的に債権回収額も減ってしまう場合も・・・

そこで、こんな結末になるのが分かっているのだったら
「自らの意思で所有者に売ってもらいましょうよ」
というのが任意売却と呼ばれる手法です。

 

普通の担保つき物件の売買では、
すべての借金を返すことを条件に
売買を債権者が認めます。

でも、任意売却の場合では、事情が事情なので
一部の返済や判子代だけの受領で
債権者が同意してくれるのです。

所有者にとっても、返済額を増やせたり、
引っ越し代を出してもらえるチャンスがあります。

競売のようにオープンにされることを避けられたりも。

競売が申し立てられると
あやしい輩が不動産を見に来ることがあるのです。

 

ある条件がそろえば、
この任意売却を使って
自宅を残すことができる場合もあります。

リースバックと呼ばれるものです。

任意売却の仕組みは先に述べたとおりなのですが、
その買い取りに身内が協力してくれたらどうでしょうか。

たとえば、兄弟に自宅不動産を買ってもらい、
そのまま貸してもらうことを約束しておくのです。

そうすれば名義は変わりますが、
住み続けることができます。

将来的には兄弟から買い戻してもいいでしょう。

債権者とすれば第三者が買ってくれて、
その価格が適正ならば文句はないのです。

こんな任意売却とリースバックを組み合わせて、
自宅に住み続けている人もいます。

 

→ 廃業・清算支援について

 

従業員、銀行対応は?「上手な廃業・清算のコツ」

上手な廃業・清算のコツ

ここでは上手に廃業の清算処理をするためのポイントをお伝えしましょう。

廃業を成功させるために、別のページではその決断は早い方がいいとお伝えしました。

一方、廃業処理(清算業務)については時間的余裕を持ちたいところです。

焦って換価しなければならないとなると、相手に足元を見られて買いたたかれてしまうかもしれません。

また、時間があれば有効な節税対策ができることもあるでしょう。

 

事業用のもの(在庫や什器)を高く換価する

清算においてできるだけ手元に多くお金を残したいのは当然の心理です。

そのためには高く資産を換価しなければいけません。

時間を確保しつつ、買い手候補を広く集って最適な取引をしたいところです。

主な処分方法は次のようなところでしょう。
①取引先に買い戻してもらう
②同業者・独立希望者へ転売
③リサイクルショップに売る
④セールで売りつくす
⑤捨てる

たとえば、処分するのにお金がかかる古い道具であっても相手からすると「欲しい!」と需要が存在するケースだってあります。

また営業権のような目に見えないものでも、換価できる可能性があります。

「誰ならば欲しがるか?」のイメージを広げて考えたいところです。

 

従業員の雇用はどうすればいいの?

会社がなくなる以上、雇用契約も無くなります。

解雇通知は、解雇する日の30日以上前までとなっています。

 

まだ勤務が続いているときでも、転職の面接の時間を融通してあげたり。

社長のコネで再就職をあっせんしてあげたりすれば喜ばれるかもしれません。

失業保険受給のためにスムーズに離職票を発行してあげることなども、しっかりやっていただきたいところです。

 

会社を廃業するとなると、その機会に独立起業する従業員が出てくることもあります。

その時はお客さんを引き継いだり、機器や什器等を譲ってあげてもいいのではないでしょうか。

 

廃業になろうが最後まで給与等の支払い義務は会社にあります。

もし、給与未払いとなった場合は国が立て替える「未払賃金立替制度」があります。

 

車など自分で使いたいものがあれば

清算においてはすべての財産を処分します。

車など社長がそのまま使いたいものがあれば、会社から買い取って利用継続することができます。

当事者だから取引できないということはありません。

ただし、その売値については注意が必要です。

変に安い金額で買い取ったりしたら、税金の問題になるかもしれないのです。

車ならばディーラーに見積もりを出してもらうなど、客観的な価値を証明してくれる証拠も残しておきましょう。

 

負債を支払う順序やお願いの仕方などは?

買掛や借金などは、現金があれば払ってしまえばいいだけです。

しかし、手元に現金が無く、資産を換価しなければ払えないのでしたら、その旨を丁寧に説明し、今後の支払い方の見通しまで伝えて安心させてあげたいところ。

こういうときに、相手の反応を恐れて希望的観測を伝えたり、できもしない約束をすることはやってはいけません。

 

資産をすべて換価しても負債を支払うには不足してしまう場合はどうすればいいでしょうか。

まず押さえておくべきは『債権者平等の原則』です。

債権者は平等に扱うのが原則です。

それを守らないと、破産に方針を切り替えたときに免責が受けられないなどの
不利益を被る恐れがあります。

だから、社長が会社に貸しているお金を他の債権者に先立って回収したり、身内だからとひいきをしてはいけないのです。

 

債権者平等の問題は、他にも悩ましい問題を引き起こします。

たとえば銀行と仕入先の買掛金など。

単純な法律論ならば、債権額に応じて案分で支払うことになります。

しかし、相手の立場や保護のされかたなどまで考慮すると、それが本当に平等なのかとも・・・

仕事上にとどまらない人間関係までできていたなら、たとえ廃業したからといって、それで終わりにはできません。

難しいところです。

 

いずれにせよ、全額を支払えないときは誠意を尽くして頭を下げるしかありません。

誤り方や、仕方ないと思ってもらうための方法を考えなければいけません。

 

事務所や店舗の賃貸契約は早めに通知する

事務所を賃借している場合などは、解約申出期間に注意が必要です。

「解約の申出は退去日の6カ月前までにすること」
となっていたとすると、半年分の家賃を損する可能性がでてきます。

廃業すると決まったら、早めに通知してロスを最小限に抑えてください。

 

残ったお金と税金

すべての資産を現金化し、負債を返済してもお金が余っていれば、それは株主のものです。

持ち分に応じて分配することになります。

 

ただし、その場合税金が大きくかかってくる場合があります。

会社には、みなし配当とよばれる、資本を超える部分に約20%の源泉徴収が必要となります。

また、金銭を受け取った株主は配当金の分で所得税が増えます。

税金を支払わず、できるだけお金を残したいと思うのが普通でしょう。

そんなときは、残余財産の配当ではなく、社長の退職金としてお金を受け取とることで節税をしているケースがあります。

 

→ 廃業・清算支援について

 

廃業すると借金等の債務が残ってしまうとき?

廃業したら借金が残ってしまう場合は?

「事業はうまくいっていない」

「本当なら廃業したいけど、会社をやめると借金が払えなくなってしまうからやめられない」

こんな前にも後にも進めないケースは巷に多いようです。

廃業して清算しようにも、資金不足で金などの負債が残ってしまう場合があります。

このケースでの負債の処理について考えてみましょう。

個人で責任を負うのは個人保証のある分だけ

お話を進める前に、法的な前提を整理しておきましょう。

残った会社の借金は、社長個人が肩代わりしなければならない、と考えていらっしゃるかもしれません。

でもこちらが例外です。

本来会社と社長個人は別人格なので、会社の借金を社長個人の資産を使って支払う義務はありません。

銀行からの借金のように連帯保証がある場合の例外です。

この点、個人事業の場合は事業と事業主が同一なので、事業の負債は個人として責任を負う必要があります。

 残った借金はどうなる?

返せる分の返済をしたけれど、銀行からの借金は残ってしまった場合を考えてみましょう。

まず、会社としては営業もやっていないし、資産も返済に回してしまったので、今後は支払い能力はありません。

あとは個人保証に基づき社長に請求がなされます。

ここで2つの方向性があります。

ひとつは残った借金や個人保証を、きれいに破産等で「法的処理」してしまうことです。

もうひとつは、銀行と交渉して「分割返済」などをする道です。

借金が残ることが気持ち悪い方や、全てすっきりさせて出直したいという方は法的処理がオススメです。

自己破産等を使って処理をします。

このあたりは弁護士さんにご相談してみてください。

 

対、保証協会は?

 

ここでは後者の分割払いについて説明します。

 

まず「保証協会付きの借金」を検討しましょう。

こちらの負債は。通常の返済が不能と判断された時点で代位弁済が行われます。

保証協会が銀行に返済を肩代わりし、債権が銀行から保証協会に移されます。

以後は、新たな債権者となった保証協会との話し合いになります。

 

当然先方としては一括ですべて払って欲しいのですが、現実それは無理でしょう

結局「月々いくらだったら払えるの?」という話になります。

額はケースバイケースですが、

5万とか3万円とか・・・

月々5000円で同意してもらった社長もいたようです。

なお、債権カットには保証協会はあまり応じてくれないようです。

 

対、サービサーは?

保証協会が付いていない債権は、サービサーに売られることがあります。

サービサーとは国に認められた債権回収会社です。

 

銀行はサービサーに債権を売ることで、一部を回収できるメリットと早く決着がつくメリットを受けられます。

一方のサービサーは、不良債権として額面よりずっと安い値段で債権を手に入れます。

 

債権が売られたら、そこからの交渉の相手はサービサーに代わります。

 

サービサーに債権が移るのはチャンスになることもあります。

先方から分割支払いの交渉などを持ち掛けてくるかもしれません。

条件面が合うようでしたら、出口が見えてきます。

 

また先方は、相当安く債権を買っているはずです。

そこで、彼らが買った値段よりも多く払えるならば、残りを放棄してくれる場合がありえるかもしれません。

 

たとえば1000万円の債権を、サービサーは3%の30万円で買ったとしましょう。

これに対し、あなたが60万円一括で払うことができれば、もしかするとサービサーとしては「元はとれた」として、残りの支払いを免除してくれるかもしれません。

 

このようなイメージで債務の処理ができる場合があります。

 

 

※廃業支援については、こちら

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廃業・清算の流れと手続き

廃業と清算の流れ

廃業を判断したら、それに伴う『解散の登記』と『清算人の就任登記』をします。

廃業を決断したからといって会社がすぐさま無くなるわけではありません。

たとえ撤退を決めて事業をストップしたとしても、その時点では残務処理や資産、さらには負債が残っているでしょう。

それらをすべて処理できてこそ、ようやく会社を消滅させることができます。

そんな会社を空っぽにする作業を『清算』と呼び、清算が終わった状態を『清算結了』と言います。

 

  • 会社の解散=営業を停止し資産や負債の処理(清算)に入ること
  • 清算人=清算を取り仕切る者。通常営業時の代表取締役に代わる存在
  • 清算結了=清算作業がすべて終わって会社の中味が空っぽになった状態

 

会社を解散して清算に入ると?

廃業を決断した会社は清算会社となり、通常の営業活動はできなくなります。

清算に伴う会社財産の処理等を活動の制限範囲としてのみ、会社は存続することになるのです。

清算を開始したら、財産の処分を行って換価します。

また換価して作った金銭で負債や税金の残りを支払います。

それでも残った分があれば、株主が株式の保有割合によって引き受けます。

こうして、資産も負債もゼロになって、会社を消滅させることができます。

 

廃業・清算手順まとめ

➢廃業の決断
株主総会の特別決議(3分の2以上の賛成)による解散決議です

➢残業務の処理
営業流量日まで業務をこなします

➢清算人・代表清算人の選任・登記
清算人就任と解散の登記をします
社長と清算人は同一人物でもかまいません

➢解散等の通知・公告
官報で解散の旨ならびに異議があれば申し出ることを通知
公告期間は2カ月以上です

➢解散確定申告
解散後2カ月以内に確定申告をおこなう必要があります

➢資産の換価処分
保有している資産を換価します

➢負債の返済
資産を処分してできた金銭等を使って負債の支払いをします

➢株主への資産分配
負債を返済しても金銭が残る場合は、株主に分配します

➢決算報告承認総会の招集・開催
株主総会で清算の終了を承認します

➢清算策定申告
清算事務の決算承認後の確定申告を行う

➢清算結了登記
法務局へ清算終了の登記を申請

➢税務署等へ廃業届

 

会社解散や清算に関する論点

清算が終わず借金が残るとどうなる!?

上記は清算の原則パターンですが、この通りに進まない場合があります。

それは資産よりも借金をはじめとする負債の方が多い場合です。

会社を消滅させるためには、資産も負債もゼロにしなければならないと述べました。

もし負債の方が多かったらどうでしょうか。

資産を換価して現金を作り、それを負債の支払いに回したとしても負債が残ってしまう場合です。

この場合は普通のかたちで清算をすることができなくなります。

(詳しくは『廃業すると借金等の債務が残ってしまう場合』の記事に譲ります)

ここでは「資産も負債もゼロにしないと会社を消滅させられない」ことを押さえておいてください。

 

いつ、誰から廃業を伝えるか?

廃業を決定したとして「いつ関係者に言うか?」を現場では悩むケースが多いようです。

お客さん、仕入先、従業員・・・と。

この問題は、各社が置かれているケースごとで答えを出すしかないように思います。

早めに伝えてあげれば、先方が準備をする時間が作りやすくなります。

かといって、早く伝えすぎると混乱が長引いて収拾がつかなくなる恐れもあったり、と。

 

また、従業員やお客さんなど、「どの順番で伝えていくか」も悩ましいところです。

内部で頑張っていたスタッフが、外部の人間から聞いてはじめて自社の廃業を知った場面などは、なんともやるせない気分になります。

正解はありませんが、廃業の影響が大きい順に声をかけるのがいいような気がします。

従業員、仕入先、お客さん、銀行・・・の順番でしょうか。

結果的に内側の人間から知らせることになります。

 

なお、必ずしも廃業を決定し、解散の登記をしてから公言しなければいけないわけではありません。

 

廃業・清算決了の手続きをしないと?

「会社をはじめるのは簡単だけど、畳むのは大変だ」

廃業の現場でよく聞かれる感想です。

見ていただいたように手続きは多く時間もかかります。

急いでも2カ月以上の期間を要するでしょう。

しかも、「解散&清算人の就任」と「清算結了」という2回の登記をするし、税務申告も必要です。

専門家に外注すればそれなりに費用もかかります。

 

ここで疑問が沸くかもしれません。

「会社を止めるのにそんな時間とお金がかかるの?」と。

そして「ちゃんとまっとうに手続をしなければならないの?」と。

 

確かにそうなんですよね。

もう営業してないんだから、適当にほったらかしておこう・・・と。

分からないでもありません。

このような場合に、あまりキレイな終わり方ではありませんが、途中までで会社が放置されているケースもあるようです。

 

この場合の注意点は、法人としては存在し続けることになるので、原則、毎年の住民税がかかってしまいます。

ただ、休眠の届を提出することで、納税義務が免除してもらえる場合もあります。

関係する自治体に確認し、必要あれば忘れずに出しましょう。

 

公官庁などへの届け出先

法律関係
・解散や清算結了の登記(法務局)

許認可
・廃業の届出(監督官庁)

税務
・解散の届出(税務署、県税事務所、市町村)
・清算結了の届出(税務署、県税事務所、市町村)
・給与支払い事務所の廃止届出(税務署)
・消費税事業廃止届(税務署)

雇用保険
・雇用保険適用事業所廃止届(ハローワーク)
・雇用保険被保険者資格喪失届(ハローワーク)
・離職証明書(ハローワーク)

社会保険
・健康保険・厚生年金被保険者喪失届(年金事務所)
・適用事業所全喪失届(年金事務所)
・健康保険任意継続被保険者資格取得申出書
(被保険者の住所地の協会けんぽなど)

労働保険
・労働保険確定保険料申告書(労働基準監督署)
・労働保険料還付請求書(労働基準監督署)

業界団体
・退会の申出(商工会議所や各加入団体等)

 

廃業・清算のお手伝いについて

廃業や清算は、手続が大量になり、とても面倒な作業となります。

また、いかにうまく立ち回るかで、残せるお金の額や廃業処理にかかる費用、税金などが大きく変わってきます。

司令塔を求めるならば、ぜひお気軽にご相談ください。

事業継続の可否の判断や関係者への情報開示のやり方、上手な清算業務の方法、個人資産やその後の相続などまでご相談いただけます。

お問合せは、こちらのフォームから可能です。

 

【おすすめ】
→ 廃業・清算コンサルティング

 

廃業・清算の考え方・判断基準

廃業、および清算とは?

廃業、倒産、清算・・・と似たような言葉がいくつかあります。

このサイトでは『廃業』を
「自らの意思で自主的に会社や事業をたたむこと」と、
定義します。

会社を続けたいけれど借金などの問題で会社を潰されてしまう
『倒産』と対になる概念です。

ちなみに『清算』は、廃業を決定し、
財産の処分や債務の支払いなどを行って会社を
整理する取組みのことです。

廃業を決定したところで、その場ですぐに会社が無くなるわけではなく、
そこから会社を無くすための清算作業が必要となるのです。

 

ある後継者がいない会社があったとします。

そのままではいつか会社は潰れてしまうことになるでしょう。

寿命などの時間的制限があるためです。

社長の死亡等により会社が機能不全となり、
急な出来事のために現場や関係者が混乱し・・・

そのとき個客や取引先、従業員、さらには家族が
迷惑を被ったり苦労させられることになるでしょう。

そんな未来予想に対し
「ならば、前もって自分の手で会社や事業を整理しよう」
そう判断して実行することが『廃業』です。

それ以外の動機としては、ご自身の年齢や健康的問題の発生、
未来の経営環境の暗さや業績の悪化などもあり得るでしょう。

ときに後継者の不在が、その判断の一番の決め手となるのかもしれません。

 

もちろんこれまで続いてきたものが無くなってしまうことは惜しいものです。

しかし、何の手も打たないまま問題を大きくしてしまい、
最後は被害者を増やしてしまうケースと比較すれば、
ずっとましな結末なのかもしれません。

後者のような結末となってしまう会社も多いものです。

 

 

廃業の判断材料

どうなったら廃業したほうがいいのか?
また、そのタイミングは?

ほとんどの人にとって初めての体験であるため、
判断は難しいものでしょう。

決断できないままズルズルといきがちです。

ここでは廃業の決断の基準などを考えてみましょう。

 

➢判断は早めに

この手の重たい話はどうしても後手にまわりがちです。
健康状態の悪化や経済的行き詰まりで、
切羽詰まって廃業するケースも多々あります。

しかし、それでは不利益を
受け入れざるを得なくなる場合が多いでしょう。

判断を早めて先回るスタンスが求められます。

判断を早くすれば、
その後の清算処理などに時間的余裕ができます。

結果的に、手元に残せる資金が増えたり、
節税の取り組みたできたりするのです。

 

➢廃業のルールを決めておく

早めに判断といっても基準があいまいです。

そこで、あらかじめ『自分の撤退ルール』を
作っておくことをお勧めします。

《撤退ルールの例》
✓2期赤字が続いたら廃業する

✓借金が2000万円を超えそうだったら廃業

✓社長の年齢が68歳になったら廃業

 

➢清算価値をモニタリングしておく

「廃業したとき、
いくらお金(または借金)が残りますか?」

こんな質問をされてすぐに答えられる社長は
どれほどいらっしゃるでしょうか。

上手に着地したいならば、
頭の中でシミュレーションできていなければいけません。

廃業時のシミュレーションは貸借対照表でできます。

資産から負債を引けばいいのです。

しかし、貸借対照表と現実のそれは、
数字が合っていない場合があります。

資産を現在価値で評価しなおしたり、
決算書に載っていない負債を計上したり・・・

このような調整を行った後に残るものは、現金か借金か?

そして、いくらぐらいでしょうか?

 

➢もう一度継ぎ手を探す

本当に廃業しか道はないのでしょうか?

廃業が原則と言いながら
やや矛盾しているかもしれません。

ただ事業継承や会社再生の現場にいると
「もったいない」と思う廃業を
目にすることがあるのです。

「声をかけてもらえたら事業の継ぎ手や、
資産の買い手を探せたのに」と
残念な気持ちになることも・・・。

「うちは廃業しかない」と、
はなからあきらめてしまっているケースが多い様子。

しかし、案外事業を引き継ぎたいというニーズはあるし、
会社丸ごとではなくても、資産やノウハウ、
従業員などが求められることは多々あります。
(丸ごと引き継がない方法は、こちらの記事を)

できるだけそのまま引き継いでもらえたほうが、
高く換価できますし、
これまで築いてきた価値を残せたという
気持ちの良さにもつながるはずです。

終わらせるのは簡単ですが、
その前に継いでくれる人はいないか
探してみていただきたいところです。

 

「死ぬまで現役主義」の社長さんへ

仕事が生きがいという社長も多いでしょう。

生きている限り仕事をしようとする意欲は立派です。

ただ、それとなんの準備もしないことは
意味が違うと思います。

現役を続けるにしても
しておいた方がよい準備はあるはずです。

たとえば徐々に自分ができる範囲の仕事に絞りながら
会社を小さくしていくことも準備の一例です。

また、社長にもしもがあった時に、
会社の廃業を代わりに手掛けてくれる人を
見つけておくこと等もしておいた方がいい場合も多いはずです。

私もこんな約束をしているお客さんがありますが、
家族などに迷惑をかけないで済む準備になるでしょう。

 

→ 廃業・清算支援について

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