従業員、銀行対応は?「上手な廃業・清算のコツ」

上手な廃業・清算のコツ

ここでは上手に廃業の清算処理をするためのポイントをお伝えしましょう。

廃業を成功させるために、別のページではその決断は早い方がいいとお伝えしました。

一方、廃業処理(清算業務)については時間的余裕を持ちたいところです。

焦って換価しなければならないとなると、相手に足元を見られて買いたたかれてしまうかもしれません。

また、時間があれば有効な節税対策ができることもあるでしょう。

 

事業用のもの(在庫や什器)を高く換価する

清算においてできるだけ手元に多くお金を残したいのは当然の心理です。

そのためには高く資産を換価しなければいけません。

時間を確保しつつ、買い手候補を広く集って最適な取引をしたいところです。

主な処分方法は次のようなところでしょう。
①取引先に買い戻してもらう
②同業者・独立希望者へ転売
③リサイクルショップに売る
④セールで売りつくす
⑤捨てる

たとえば、処分するのにお金がかかる古い道具であっても相手からすると「欲しい!」と需要が存在するケースだってあります。

また営業権のような目に見えないものでも、換価できる可能性があります。

「誰ならば欲しがるか?」のイメージを広げて考えたいところです。

 

従業員の雇用はどうすればいいの?

会社がなくなる以上、雇用契約も無くなります。

解雇通知は、解雇する日の30日以上前までとなっています。

 

まだ勤務が続いているときでも、転職の面接の時間を融通してあげたり。

社長のコネで再就職をあっせんしてあげたりすれば喜ばれるかもしれません。

失業保険受給のためにスムーズに離職票を発行してあげることなども、しっかりやっていただきたいところです。

 

会社を廃業するとなると、その機会に独立起業する従業員が出てくることもあります。

その時はお客さんを引き継いだり、機器や什器等を譲ってあげてもいいのではないでしょうか。

 

廃業になろうが最後まで給与等の支払い義務は会社にあります。

もし、給与未払いとなった場合は国が立て替える「未払賃金立替制度」があります。

 

車など自分で使いたいものがあれば

清算においてはすべての財産を処分します。

車など社長がそのまま使いたいものがあれば、会社から買い取って利用継続することができます。

当事者だから取引できないということはありません。

ただし、その売値については注意が必要です。

変に安い金額で買い取ったりしたら、税金の問題になるかもしれないのです。

車ならばディーラーに見積もりを出してもらうなど、客観的な価値を証明してくれる証拠も残しておきましょう。

 

負債を支払う順序やお願いの仕方などは?

買掛や借金などは、現金があれば払ってしまえばいいだけです。

しかし、手元に現金が無く、資産を換価しなければ払えないのでしたら、その旨を丁寧に説明し、今後の支払い方の見通しまで伝えて安心させてあげたいところ。

こういうときに、相手の反応を恐れて希望的観測を伝えたり、できもしない約束をすることはやってはいけません。

 

資産をすべて換価しても負債を支払うには不足してしまう場合はどうすればいいでしょうか。

まず押さえておくべきは『債権者平等の原則』です。

債権者は平等に扱うのが原則です。

それを守らないと、破産に方針を切り替えたときに免責が受けられないなどの
不利益を被る恐れがあります。

だから、社長が会社に貸しているお金を他の債権者に先立って回収したり、身内だからとひいきをしてはいけないのです。

 

債権者平等の問題は、他にも悩ましい問題を引き起こします。

たとえば銀行と仕入先の買掛金など。

単純な法律論ならば、債権額に応じて案分で支払うことになります。

しかし、相手の立場や保護のされかたなどまで考慮すると、それが本当に平等なのかとも・・・

仕事上にとどまらない人間関係までできていたなら、たとえ廃業したからといって、それで終わりにはできません。

難しいところです。

 

いずれにせよ、全額を支払えないときは誠意を尽くして頭を下げるしかありません。

誤り方や、仕方ないと思ってもらうための方法を考えなければいけません。

 

事務所や店舗の賃貸契約は早めに通知する

事務所を賃借している場合などは、解約申出期間に注意が必要です。

「解約の申出は退去日の6カ月前までにすること」
となっていたとすると、半年分の家賃を損する可能性がでてきます。

廃業すると決まったら、早めに通知してロスを最小限に抑えてください。

 

残ったお金と税金

すべての資産を現金化し、負債を返済してもお金が余っていれば、それは株主のものです。

持ち分に応じて分配することになります。

 

ただし、その場合税金が大きくかかってくる場合があります。

会社には、みなし配当とよばれる、資本を超える部分に約20%の源泉徴収が必要となります。

また、金銭を受け取った株主は配当金の分で所得税が増えます。

税金を支払わず、できるだけお金を残したいと思うのが普通でしょう。

そんなときは、残余財産の配当ではなく、社長の退職金としてお金を受け取とることで節税をしているケースがあります。

 

→ 廃業・清算支援について

 

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