01.M&Aのメリット・デメリット

会社売却が増えている

自分の会社を売ろうとする取り組み(=M&A)が
増えています。

かつては、会社は売買の対象ではない、
という考え方の方が主流だったかもしれません。

しかし今では都市部を中心に、
かなり“普通の話”になってきている気がします。

M&Aというのは大企業の話であって、

中小零細企業には関係ないと思っていた人も多いでしょう。

でもその波は小さな会社にまで来ています。

中企業のM&Aを専門に手掛ける大手仲介会社の業績が好調なのも、
その証となるはずです。

 

事業承継の出口としてのM&A

中小零細企業の場合、
M&Aをする理由のかなりの割合は『事業承継』です。

継者がいないことを理由として
外部に引受先を探すパターンです。

たしかにM&Aは事業承継の出口として有効であり、
小さな会社にとっても現実的なツールとなりつつあります。

こんな話を聞いて「よし、うちもM&Aをしよう」と
勢いづく社長さんがいらっしゃるかもしれません。

M&A仲介会社から積極的な売却提案を受けて
その気になっていらっしゃる方もいるかもしれません。

 

会社を売った方がいいのか、悪いのか。

メリットとデメリットを後ほど考えます。

ただ、先に抑えておいていただきたいのは、
「実際に売れる会社は少ない」ということです。

この点は次のページで詳しく伝えます。

 

 

M&Aという選択肢のメリット・デメリット

事業承継の出口をM&Aにする場合を、
メリットデメリットで考察してみましょう。

 

M&Aのメリット

➢手離れがいい

誰かに継がせようと思うと思えば、その道のりは大変です。
後継者候補を選び、育て、引きつぎ・・・
時間も労力もかかります。

一方、M&Aとなると通常の承継よりも時間は相当短く終わります。

あえてグロテスクな言い方をすれば、
売り抜ければそれで終わりなのです。

会社を処理しなければいけない対象だと定義するならば、
手離れがよい方法だと言えるでしょう。

 

➢お金が一時金で手に入る

M&Aがうまくいけばお金が手に入ります。

しかも通常の場合は、一時金となります。

もちろん金額の多寡は、会社の状況や購入希望の会社の意欲の強さ、
経済状況などによって大きく変わります。

人生において多額の現金が一気に手に入る機会は少ないもの。

М&Aが上手く成就すればそれが現実となります。

これまでスロットマシーンの中に我慢して貯めてきたコインを、
ボタンひとつで一気に吐き出させるように清算できるのです。

なお、一気にお金が動くと、
それだけ税金の影響を受けるもの。

得られるお金を数えるだけでなく、
トータルの課税や、
節税の余地なども考えておきたいところです。

 

➢会社を残せる

あるM&A仲介会社の場合
「会社売却を希望してくるうちの8割から9割は事業承継がらみ」
だそうです。

後継者不在のケースが多い中小企業の世界において、
事業承継は切実な問題です。

外部に売ることで会社が残せるならば、
という苦渋の決断をしている場合もあるのでしょう。

 

デメリット

➢М&A後の経営に手を出せない

M&Aの交渉場面で、自分が去ったあとやり方などについて、
いろいろと買い手の会社に注文を付けているケースがあります。

しかし、ほとんど意味はないでしょう。

有効なやり方は、その時によって違います。

誰がやるかでも結果は変わるのです。

買う側だって、過去のトップの意向に
いちいちかまっていられない都合だってあるでしょう。

それを不満と思うよりは、
「そんなものだ」と前提にしてしまったほうが良い気がします。

いつまでも先代にトップの気分で振る舞われたら、
お互い気持ちよくありません。

 

➢情報流出のリスクがある

M&Aの実務では、関係者に守秘義務契約が取り交わされるのが通常です。

しかし契約書を作れば秘密が漏れないというわけでもありません。

話はどこから漏れるかわからないし、
漏れていなくても従業員などの関係者は、
社長の動きを敏感に察するものです。

一度「会社を売ろうとしている」という動きが伝われば、
社内は浮足立つこともあるでしょう。

その様子をさらに感じ取って、
取引先は不信を持つかもしれません。

一度この状態になってしまうと難しいものがあります。

 

➢仲介手数料が高い

M&Aは自分で買い手を探す場合と、
仲介会社に相手を探してもらう場合があります。

後者の場合、その成功報酬が高額となるようで、
現場にいる社長からも不満を聞いたことが何度もありました。

まだまだ新しい産業のため、
サービスとして落ち着いていなかったり、
価格競争の原理が機能していなかったりするのかもしれません。

なお、法律事務所や会計事務所などをサポーターとして
利用する場合もあるでしょうが、
こちらもそれなりのコストになるケースが多いでしょう。

 

➢そう簡単には売れない

先述しているように、
売りたくても売れない会社は山のようにあります。

誰にでも、どの会社でも採用可能な出口だとは言えません。

普通は売れないものと認識し、
夢だけ見て落とし穴にはまらないようにしたいところです。

逆に言えば、買ってもらえる会社をつくった社長は、
それだけの栄誉を手にしたとも考えられるのでしょう。
→ М&Aの支援について

 

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