事業承継で最初におさえるべき『超』基本とは?

事業承継が気になりはじめた方へ

「事業承継」や「廃業」といったキーワードがちまたにあふれるようになりました。

また、ご自身の年齢等からも事業承継などが気になりはじめた方もいらっしゃるはずです。

この記事は、そんなこれから広い意味での事業承継に取り掛かろうとする方のために書いています。

 

事業承継の出発点は『社長の想い』

後継者がいれば事業承継、いないならМ&A・・・?

「後継者がいる会社は事業承継で会社を子供などに継がせましょう。

いない場合はМ&Aで会社を売却できます」

事業承継の解説にはよくこんな内容が書かれています。

しかし、現実はそう単純ではありません。

これぐらい簡単に割り切って進めるなら、世の中に事業承継の問題で悩む社長はこんなにいないでしょう。

 

事業承継の準備に魂が入らないのはなぜか?

このような解説に仕方に対してもう一つ問題を感じます。

それは、手法などの表面的な部分だけに社長の関心を集めてしまう点です。

逆に言えば、当人である社長の想いや気持ちが全く考慮されていないということです。

「事業承継の準備をしなければ大変なことになりますよ」と煽るだけ煽ります。

そして、「こんな手法があります」と技を紹介する。

この流れには、「社長の本音はどうしたいのですか?」「何を大切にしたいですか?」というマインド部分が欠けています。

事業承継の問題に嫌々取り掛かる社長。

準備をしようとしたけど前に進むエネルギーが足りない社長。

きっと自分の想いが欠けたままスタートを切ってしまったのでしょう。

納得しておわりを迎えたいなら、まずは自分の想いを確かめることからはじめてみてください。

 

事業承継対策=社長の幕引きデザイン

中小企業の社長が納得して、上手に社長を辞めるためには『社長の幕引きデザイン』が必要です。

聞き慣れない言葉ですが、私が作った造語です。

社長や会社の結末は、それぞれに違います。

子供やスタッフへの事業承継、廃業、М&A・・・

しかし、社長個人を軸に考えれば「いつか社長を辞めるときがくる」という共通点が見いだせます。

この『社長のキャリアのおわり』をデザインしましょう、というのが僕からの提案です。

 

ギャップを理想に近づけるデザイン

あなたには「今」があります。

会社ならば、人員や営業状態、資産や負債・・・

社長個人としても資産もあれば、家族や友人などの人間関係もあります。

数値化できない過去の思い出や、希望や恐れだってあるはずです。

まだ見ぬ「未来」もあります。

こうなったらいいなという未来への希望。

このままだったらこんな問題が起きてしまうという未来からの警告。

 

現実を土台に、希望と警告をふまえて、よりよい未来を出現させる。

これが事業承継における『社長の幕引きデザイン』です。

デザインの道具には、М&Aとか生命保険とか法律、節税手法などの各種ツールがあります。

しかし、あくまでツールであることを忘れてはいけません。

これまでの事業承継では、これらのツールがあたかも主役のように語られてきました。

それだけではおかしくなってしまいます。

繰り返しになりますが、軸は、社長の心です。

あなたがどうしたいか。

問われるのは、その意志です。

 

デザインしなければどうなる?

おわりをデザインすることで何がもたらされるのか。

それは、本人の納得であったり、会社が継続するか可能性の向上であったり、資産の保全であったり、人間関係の円満化であったり・・・

やや乱暴にまとめれば、幸せ、です。

 

逆を考えることでもっとイメージはしやすくなるはずです。

幕引きをデザインしないということは、ほったらかして成り行きに任せることになります。

例をあげればこんな感じです。

  • 早めに手を打てば他者に引き継いでもらえたのに、タイミングを逃してもらい手がなくなった会社
  • 継がせるなり、売却するなりすれば残せたはずなのに、廃業してしまい価値を消滅した事業
  • 社長が亡くなって会社から放り出され、路頭にまようことになった従業員
  • いざ問題が生じてからどうしたらいいか分からずイライラする社長
  • ふってわいた税金に呆然とする社長や家族
  • ぎくしゃくした関係が加速し、崩壊させてしまった人間関係・・・

事業承継をはじめとした社長のおわりの場面の不幸は、巷にあふれています。

長年務めてきた役割の終わりがこうなって納得できますか。

 

おわりを受け入れないとはじまらない

キャリアのゴールをデザインするために、その前提として「おわり」を受け入れられなければいけません。

これが本当のスタートです。

「いつかおわりはやってくる」

頭では当たり前に思うかもしれませんが、本当の意味で受け入れるのは簡単ではないはずです。

ひとつの終着点のかたちである『死』で考えてみましょう。

誰でもいつか自分が死ぬことを知っています。

しかし同時に、ほとんどの人は「自分にそんなことは起きない」とも感じています。

どうやら私たちは希望的観測をしてしまう生き物なのですね。

正直に言えば、これまで数多の相続の案件を通じて死に接してきた私ですらそうです。

 

ただこの希望的観測は、かえって私たちを不幸にしてしまうことがあります。

「自分に限って死ぬことはない」という希望的観測が、大切な人にお別れを言う機会を奪ったり、家族や友人との絆を確かめる時間を失わせてしまいます。

希望にすがって無謀なことや効果が得られないことに大切な時間とお金を使ってしまうこともあります。

幸せを中心に考えれば、本当にそれが良かったのか・・・

 

おわりを受け入れなければできないことがあります。

見たくないものは見ない。

考えたくないものは考えない。

こうして放置した問題は、さらに厄介になっていつか戻ってくるでしょう。

 

おわりをデザインする前の事前アクション

対話が未来を拓く

とはいえ、おわりはどうやって受け入れればいいのでしょうか。

こうすれば絶対うまくいくという方法や、簡単で効率的な方法を僕には知りません。

それでもいまのところ最もベターな方法だと思うものはあります。

対話です。

対話を繰り返しすことで、ご自分の心が整えられます。

人に話をすることで、自分の中にしみ込んできます。

もし私をその対話の相手と選んでいただけるのならば、喜んでお話を聞かせていただきます。

 

おわりを計画に組み込んでしまう

あなたは、社長のキャリアの着地点で失敗したいですか?

下手すればこれまでやってきたことをすべて台無しにしてしまう場面です。

しかも最終局面だからこそやり直しはできません。

こんな話を聞けば「上手くできるものならそうしたい」と誰もが思われるでしょう。

ただそれで行動できる人は、実際には少ないようです。

「このままではまずい」と思いつつ、ズルズルいってしまうケースも多いもの。

 

だから、おわりを計画に組み込んでしまうことを提案します。

条件をあらかじめ設定しておきましょう。

「何歳になったら社長を引退する」

「赤字が二期続いたら廃業する」とか。

本当に上手くいかなくなてから悩むより、先に冷静に考えておいた方が結果は良くなります。

社長の幕引きデザインでも、この条件設定は重要になります。

「こうなったら、私のような専門家に相談する」という条件設定もありでしょう。

 

事業承継のデザインに取り掛かる

「事業承継等の社長の終わり方をデザインしてください」

これが僕からのメッセージであり、そのアクションを『社長の幕引きデザイン』と名付けました。

ただ、デザイン方法は、状況によって異なるため「こうするべき」と一言ではお伝え出来ません。

 

社長のおわり方には3つしかない

将来に待ち構えているルートを体系化することが、どんな準備をしていけばいいのかのヒントになるかもしれません。

「社長のおわり方」を整理すると、実は3つのパターンしかないことがわかります。

 

①会社を継がせるのか、②会社をたたむのか。

または③社長自身が亡くなっておわりを迎えるのか。

この3つが幹となります。

さらに、そこから枝がわかれます。

継がせるパターンでも、継がせる相手によって通常の事業承継になったり、М&Aになります。

最近では、第三者が後継ぎとして会社に入ってくることを「継業(けいぎょう)」と呼ぶ場合もあるようです。

また、会社をたたむ場合でも、自主的にたたむ廃業にたいして、強制的につぶされる倒産もあります。

 

このようにおわりを考えることはこれまでほとんどなかったと思います。

体系化させることで、先が見やすくなり、ひいては社長にふさわしいおわり方を見つけやすくなるのではないでしょうか。

 

事業承継の失敗例を参考にする

他社の失敗事例から、ご自身の取り組みを考えるのはとても有効な方法でしょう。

売れるときに売らなかった失敗

かつて、ことあるごとに「あのとき売っておけば」と愚痴をもらす社長がいました。

М&A会社から「一億円以上で会社を売れる」と言われたことがあったそうです。

しかし僕が会社に呼ばれたときには、すでに状況は悪化していて、会社は火の車。

打合せをしている最中も、過去の栄光にすがり「あのとき売っておけば良かった」と何度も口にしていました。

だったら、なぜそのとき会社を売れなかったのでしょうか。

それは、おわり方を考えていなかったことが原因でしょう。

ちなみに本当に一億で売れたのかは怪しいところです。

期待させて動かそうとするのは業者の手ですからね。

借金が増えて辞めるタイミングを逃した失敗

似たようなパターンで、売上が減って借金が増え、辞めるに辞められなくなった社長もいました。

年齢からくる経営力の衰えを感じ「身を引かなければいけない」と思いつつ、ズルズルと引っ張ってしまったパターンです。

社長がいつまでもトップに居座っていた他社のケースでは、従業員からクーデターを起こされた例もあります。

廃業を先走った失敗

もったいない廃業の例もあります。

誰かに継がせたり、売却することが十分できたとはずの事業なのに、社長の判断だけであっさり廃業させてしまった例。

社長が亡くなり、株を引き継いだ相続人によって会社が解散された例もあります。

この事例では、現場のスタッフたちは事業を続けていくことを希望していましたが、相続人の一存で廃業が決められてしまいました。

廃業や清算には思ったよりお金がかかる面もあり、普通は承継させた方が社長は得をします。

それができたケースだけにもったいない話です。

社長の急死や相続による失敗

社長が急に亡くなって会社がまったく機能しなくなり、あっという間につぶれた会社があります。

株式をもって亡くなった社長の相続税があまりに高額になり、後継者が会社を継ぐことが困難になったこともありました。

父である社長を相続した子供たちが、父の負っていた個人保証を相続してしまい結果的に破産したこともあります。

 

幕引きデザインでリスクをコントロールする

社長のキャリアの締めくくりでの失敗事例はまだまだあります。

税理士などをはじめ事業承継の問題を税金の問題としている人がいますが、とんでもない。

問題は多岐にわたり、その原因は様々です。

ただ、多くは事前の準備不足の問題だとも言えます。

事業承継のトラブルを回避する意図をもって上手にとりくまなければ、ほぼ何かしらの問題を引き起こすでしょう。

なりゆきまかせはNGです!

ご本人にもその災いが降りかかることもあれば、後悔に苦しめられる可能性もあります。

 

一方、現実と向かい対策を講じておけば、よりよいおわりに着地させることができます。

もちろん相手方があって、すべてをコントロールしきれない場合もあります。

それでも最悪の事態は防ぐことは可能です。

社長が、社長をやめる。

これは将来100%起きるイベントです。

備えておいて損はありません。

 

事業承継デザインのご相談はお気軽に

「そろそろ、社長を辞めるときのことも考えたい」

「経営の将来に自信がなくなってきた」

「家族のことを考えて相続のことも準備したい」

こんな場合はお気軽にご相談ください。

考えをまとめるための相談相手だったり。

事業承継の計画を立てたり、手続きを実行させる監督役であったり。

今後の会社を担う後継者の家庭教師役であったり。

ときには、後継ぎ探しや、М&Aのご依頼までも。

事業承継デザイナーの奥村は、きっとお役に立てるはずです。

 

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