幕引きデザインの意義

おわりをデザインしなかったことによる悲劇

「社長のおわり方の作戦を練っておいてください」

これが僕からのメッセージであり、そのアクションを『社長の幕引きデザイン』と名付けました。

幕引きをデザインする意義は何でしょうか。

それを理解するには、反対の「幕引きをデザインしなかったら」を考えてみたほうがわかりやすそうです。

 

おわりを定めずズルズルと引っ張って失敗した例

かつて、ことあるごとに「あのとき売っておけば」と愚痴をもらす社長がいました。

М&A会社から「一億円以上で会社を売れる」と言われたことがあったそうです。

しかし僕が会社に呼ばれたときには、すでに状況は悪化していて、会社は火の車。

打合せをしている最中も、過去の栄光にすがり「あのとき売っておけば良かった」と何度も口にしていました。

だったら、なぜそのとき会社を売れなかったのでしょうか。

それは、おわり方を考えていなかったことが原因でしょう。

ちなみに、本当に売る気になれば会社を一億で売れたのかは怪しいところです。

期待させて動かそうとするのは業者の手ですからね。

 

似たようなパターンで、売上が減って借金が増え、辞めるに辞められなくなった社長もいました。

年齢からくる経営力の衰えを感じ「身を引かなければいけない」と思いつつ、ズルズルと引っ張ってしまったパターンです。

社長がいつまでもトップに居座っていた他社のケースでは、従業員からクーデターを起こされた例もあります。

 

廃業させないことができたのに・・・

もったいない廃業の例もあります。

誰かに継がせたり、売却することが十分できたとはずの事業なのに、社長の判断だけであっさり廃業させてしまった例。

社長が亡くなり、株を引き継いだ相続人によって会社が解散された例もあります。

この事例では、現場のスタッフたちは事業を続けていくことを希望していましたが、相続人の一存で廃業が決められてしまいました。

廃業や清算には思ったよりお金がかかる面もあり、普通は承継させた方が社長は得をします。

それができたケースだけにもったいない話です。

 

怖い社長の急死や相続

社長が急に亡くなって会社がまったく機能しなくなり、あっという間につぶれた会社があります。

株式をもって亡くなった社長の相続税があまりに高額になり、後継者が会社を継ぐことが困難になったこともありました。

父である社長を相続した子供たちが、父の負っていた個人保証を相続してしまい結果的に破産したこともあります。

 

幕引きデザインでリスクをコントロールする

社長のキャリアの締めくくりでの失敗事例はまだまだあります。

多くは事前の準備不足の問題です。

NO、なりゆきまかせ!

意図をもって上手な着地にとりくまなければ、ほぼ何かしらのトラブルを引き起こすでしょう。

もちろんご本人にもその災いが降りかかることもあれば、後悔に苦しめられる可能性もあります。

方や現実と向かい対策を講じておけば、よりよいおわりに着地させることができます。

もちろん相手方があって、すべてをコントロールしきれない場合もあります。

それでも最悪の事態は防ぐことは可能です。

社長が、社長をやめる。

これは将来100%起きるイベントです。

備えておいて損はありません。