01.誰に事業を引き継ぐべきか?

誰を後継者にするのか?

後継者選びについて考えてみましょう。

かつては
「うちの子供が会社を継いでくれない」
と社長が嘆いているケースが多かった気がします。

しかし、最近の流れは
「子供には継がせない方がいい」
と考える社長が増えている様子です。

自社の業績や業界の先行きからの不安の影響でしょう。

 

事業を引継ぐことを強制しない

後継者を決めるにつき、
まず、会社を継承させることを強制してはいけません。

不幸の素です。

いろいろと苦労も多い社長業において、
「自ら進んで選んだ道だ」と思えなくては力が出せません。

会社を継いで業績を伸ばしている
後継者社長たちの話を聞いても、
勝手に継ぐことを決めたケースが多いもの。

なかには、親に「継がせないと言われ続けていた」
というケースもありました。

これはもしかしたら先代社長の作戦だったかもしれません。

「やれ」と言われるよりも、
「やらせない」と言われたほうが、
やりたくなってしまう人間心理です。

 

親である社長が一方的に
「子供には絶対継がせない」と
決め込んでしまっている場合もあります。

それに対し、子供の方が
「本当は継いでもいいと思っているんだけど・・・」
と思っていることも。

このミスマッチは、近年増えている感覚があります。

 

後継者は血で選ぶか、能力か?

後継者選びのものさしは、結論の出ない論争です。

要は、子供をはじめとする血縁を優先するのか、
それとも能力主義に徹して、
血縁がないスタッフも後継者対象にするのか、
の問題です。

これは本当に難しい話ですし、
ケースごとに自らの答えを見つけるしかないのでしょう。

それこそ社長のわがままを
通していい場面なのかもしれません。

先のことなんてわからないのだから、
社長が何を大切にしたいのかで決めたっていいと思うのです。

ファミリービジネをやることが大切なのか、
一緒に頑張ってきたスタッフに報いたいのか、
会社の継続性で考えるのか・・・など。

かつてお話をしていた社長は、
能力のある他人のスタッフではなく、
息子を後継者に選びました。

何が決め手だったかと聞くと、
「息子だったら、
自分の会社を潰されても仕方ないと諦められるから」と。

これも一つの答えでしょう。

 

なんとなくですが、個人的には
会社の原動力が「資産的」か「営業的」かで
血縁と能力のどちらを優先させるか決めればいい
という感覚を持っています。

例えば、不動産賃貸業ならば土地などの資産の所有が肝です。

またガシッと利権を確保しているビジネスも資産的です。

こうした資産的なものは
先代社長の財産という意味合いが濃くなるので、
血縁でつなげていくのに向いています。

 

一方の、営業能力などの個人的資質を商売の肝にしている場合。

これは血縁で承継できるものではありません。

継承できないものなら、
次の後継者が個人的に能力を有しているかに
注目すればいいと思うのです。

 

なお、スタッフを後継者にする場合に、
子などの身内を会社に寄生させてはいけません。

「お前に社長の座を譲るから、
子供を社内で優遇してくれ」
のような押し付けです。

それぐらいどうにでもなると先代社長はあまく考えがちですが、
実際はそう上手くいかないものです。

 

後継者候補が複数いるなら

後継者として同レベルの二人がいたとしましょう。

このときどちらを後継者に選ぶのかは、
難しい決断となるでしょう。

断腸の思いでどちらかを選んだときに、
敗れたもう一人はどうなるのか・・・?

会社から出て行ってしまうかもしれませんし、
それが普通ぐらいに思った方がいいのかもしれません。

残ったら残ったで
後継者の足を引っ張る存在になりかねません。

顧客と自分寄りの社員を連れ出しての
独立騒ぎが起きることも。

それぐらいのことが起きうると
はじめから思っておいたほうがいいのでしょう。

 

複数の後継者候補がいる場合に、
分社してそれぞれの会社の社長を
やらせるパターンもあります。

たとえば、
東日本の事業と西日本の事業の2つに会社を分け、
それぞれの社長を任せるのです。

うまくいけば双方の不満を
無くすことができるかもしれません。

 

ただ、こうした手法は簡単に手を出すと
痛いしっぺ返しにあう可能性があるものです。

会社の戦略などと合致させながら、
慎重に活用を検討しなければいけません。

後継者を選ぶという
苦渋の決断から逃げるためだけに使うのはNGです。

 

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