02.事業承継と経営再建を同時に実現

継がせた会社が後継者を苦しめているという事実

世間では「事業承継が大きな社会的課題だ」と騒いでいます。

その問題意識はいつしか
「後継者さえいればいい」
「会社が継がれればいい」
と短絡的な結論に向かっています。

ここには欠けている視点があります。

本当に継いでもいい会社なのか?

 

状況の悪い会社を継いだため、
事業承継後すぐに破たんした会社があります。

借金の大きな会社を継いだため、
返済に追われて苦しんでいる後継者もたくさんるのです。

継がせる前に、会社の状況を見極めなければなりません。

今の世の中においては、再生が必要な会社は多いと思います。

そのまま継がせるのではなく、
会社を再建しつつ継がせるような取組みが
必要なのではないでしょうか。

 

事業承継というと、
「親の作った4億の借金を子が背負って苦労した」
のようなお涙ちょうだいの話ばかりが氾濫しています。

私には、事業承継のやり方に問題があったようにしか思えません。

事業承継を悲劇や苦しい話ではなく、
チャンスに変えていかなければならないと思うのです。

 

再生できない理由

傾いた会社を立て直すのは本当に大変なことです。

ただでさえ困難なうえに、
別の要因や姿勢の誤りが重なるときがあります。

こうなるとまず立て直しは不可能でしょう。

再建を担う後継者は、再生できなかった原因を
まずは押さえておく必要があると思います。

 

思い切ったメスを入れない

リスケジュールをしてもらって返済を猶予された会社のうち、
通常の返済に戻せるのは1割ぐらいだと聞いたことがあります。

抜本的な改革が必要なのに、
小手先でどうにかしようとしているケースが多いのでしょう。

返済の目途が立たない額まで借金が膨らんでいるのならば、
返済の猶予だけでは足りないのです。

後手を踏まないよう思い切った手を打つべきです。

 

借金や資金繰りしか見ていない

資金的に追い込まれると
借金や資金繰りしか考えられないように
なってしまうようです。

しかし、こうなると余計に再建はできません。

お客さんに価値を提供することや、
社内の業務を磨かない限り会社が良くなることはないのです。

銀行対応にばかり時間を使っているようなら、
姿勢を見直さなければいけません。

 

本人の力不足

会社の再建を成し遂げようと思えば、
社長は優れたパフォーマンスを発揮しなければいけません。

信念をもって、粘り強く経営することも不可欠でしょう。

ところが困難な再建という仕事に比して、
社長の力不足を感じるケースがよくあるのも現実です。

能力不足を云々言う前に、元気を失っていたり、
焦りや悲壮感で潰されそうになっていたりすることがあります。

はたまた、世間体ばかりを気にしていたり、
「あれは嫌だ。これは残したい」
と肚をくくれていなかったり・・・も。

 

外から口を出される

自由にやらせてもらっても、
上手くいくか分からないのが経営です。

制限やしがらみが増えればそれだけ難しくなります。

再建が必要な段階になると、
債権者等がいろいろ口を出してくるようになることがあります。

口を出す当人は悪気がないのかもしれません。

しかし、口出しされる側は経営しづらくなり、
返ってうまくいかないものだったりするのです。

 

会社分割で事業承継と再生を同時に果たす

後継者は犠牲にならずにどうやって会社を継ぐか。

その方法を見ていきます。

実は、事業承継と会社の再生手術はとても相性がいいのです。

事業承継の場面ならば後継者が会社を継ぐと同時に
再建のメスを入れることができます。

その場合によく使われる会社分割を使った
第二会社方式の問題点とともに、
そのやり方を考えてみましょう。

 

第二会社方式で会社が再生できるロジック

まずは会社分割を使った「第二会社方式」を押さえておきましょう。

(会社分割ではなく、事業譲渡を利用することもあります)

第二会社方式は、簡単に表現すると、
「会社の良いところと悪いところを
別々の会社にしてしまうということ」です。

たとえば大きくなり過ぎた負債や不採算事業などは、
会社を悪くする不良部分です。

これらを前の会社に残しつつ、
良い部分、将来の事業に必要な部分だけを
別会社に移せたらどうでしょうか。

別会社の内部はきれいに整理され、
十分にやっていける会社になる場合が多いと思います。

これが第二会社方式で会社が再生できる理屈です。

 

先代社長は責任を負わなければいけない

第二会社方式をつかって過大な負債を切り話せたらいいでしょう。

しかし、そんなうまい話があるか、と疑問に感じるのも当然です。

たしかに現社長が、
自分で作った借金を第二会社方式を使って切り捨て、
キレイになった新会社を経営するのではあまりにおいし過ぎます。

既存の借金に対して責任を負うのが筋でしょう。

しかし、キレイになった新会社を背負うのが
後継者となれば話は別です。

後継者と言えども先代社長とは法律上の別人格です。

積み重なった借金や、悪い部分を残した会社まで背負う義務は
本来ありません。

要は、事業承継のタイミングで第二会社方式を使って会社を分け、
キレイな会社だけを後継者が継げばいいのです。

 

事業承継を活性化するためのリノベーション思考

この方法で、会社の再生と事業承継を
同時に果たすことができるのではないでしょうか。

無理な事業承継による後継者の悲劇も避けられるはずです。

今の後継者問題の解消にも
貢献するスキームであることは間違いありません。

成熟社会を迎え、これまでに溜まった悪い部分を捨てる一方で、
使える部分を有効に活用することが大切になっています。

空き家活用などの不動産のリノベーションの取り組みがその典型です。

これは中小企業の世界でも同様でしょう。

価値を次の世代につなぎ、
活かしていける世の中になることを願います。

 

→ 会社再生のご支援について

 

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