在任中の社長が亡くなってしまったら・・・?

社長という立場のおわりについて考えてみたことがありますか?

整理してみると、おわり方は3タイプしかありません。

①自主的に引退する。

②倒産等によって社長のイスを失う。

そして③お亡くなりになる。

今回は、③の「社長の死亡」をテーマに考えてみましょう。

 

在任中の社長が亡くなると、現場ではかなりの混乱が起きる可能性が高いはずです。

社長しか分からない、いわゆる“ブラックボックス”が存在する会社は多いはずです。

必要なものが引継ぎがなされないまま社長がいなくなってしまうと、会社は機能マヒを起こしてしまいます。

お金の管理や月々の支払を社長1人で行っていたある会社では、社長の突然死を契機に「買掛金が支払えない」「社員の給料も払えない」と大混乱に陥りました。

こんな事態を防ぐには、社長がいなくなっても滞りなく営業が継続できる仕組みが必要です。

 

決算書などの数字を次期後継者にすら開示していない会社もありました。

やはり社長が死亡した際に、銀行が「連帯保証人の変更の印を押してください!」と後継者に詰め寄り、考える余裕も与えられず、それに応じてしまいました。

後になって数字を見てみると、会社は債務超過の大赤字。

そんな借金を連帯保証で背負わされてしまったのですから、一生を棒に振りかねない事件です。

借金の問題は、生命保険などを利用して社長の相続時に処理できればベストでしょう。

たとえそこまではできないとしても、情報を共有して準備する機会を作ってあげて欲しいところです。

 

「相続と株式」の問題もあります。

会社の株式を持つ社長が亡くなったときに、しかるべき相手に株式が「スムーズに」わたるでしょうか。

仮に子供が3人いた場合、遺産分けの話し合いが終わるまでは、一株一株をそれぞれ3人で共有していることになります。

ということは、決議をするにも他の相続人との合意が必要です。

そのため後継者の立場からすると、厄介な状況になることがあるのです。

 

筆者がかかわったケースでこんな事例があります。

その社長は血縁者ではない社員を後継者に決めていたものの、承継の準備をしないまま急死。

そのため株式の権利は後継者ではなく、相続人の手に渡ってしまいました。

後継者は株式を譲ってもらおうと行動を起こしましたが、相続権を持つ者が複数登場し、中には遠方に住む人や連絡が取れない人も・・・。

裁判所の手続きまで必要となり、多くの時間と費用がかかりました。

前社長が遺言書を準備していればスムーズに解決できた問題です。

ただし、遺言が元で遺留分などの相続紛争が生じる場合もあるので、遺言作成などは慎重にやりたいところです。

 

「出口を考えて、準備をしておく」

しかし、言うは易し。

先々のことまで考えて準備を進めている社長は、残念ながら少数派です。

準備さえしていれば未然に防げるトラブルは多いものですが・・・。

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