企業の組織再編・業界再編とは?
組織再編とは、既存の会社の構造を変えることです。
たとえばもともと一つの会社であったものを、別々の会社にしたり。逆に別々だったものを一つの会社にまとめたりすることもあります。経営者のビジョンに合ったかたちで組織再編の手法を駆使できれば、戦略が加速します。
本サイトの事業承継というテーマと組織再編はあまり関係がないように感じる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、事業承継の場面でも組織再編の手法を利用することはよくあります。そして、これを知っているか否かで、可能性の幅が大きく変わってしまいます。
中小企業の社長さんでも、そのエッセンスを知っておいて損はありません。
業界再編とは?
上記ような企業再編を、『業界』というより大きなフィールドで展開するのが業界再編です。市場規模が縮小している業界で、数社がま1つにとまって生存力を保持しする場合などが典型例でしょう。
勢いのある会社や事業規模拡大に積極的な会社が、同業他社を買い集めて業界の勢力図が変わってしまう場合も業界再編と言えそうです。
事業承継を「自社だけの話」と考えずに、業界全体の視点を持つことで道が拓けてくることもあります。
もちろんこの業界再編の場合にも、合併や会社分割などの組織再編のツールが活躍します。
組織再編で何ができる?
企業の組織を再編をすることで、下記のようなメリットを得られることがあります。まとめると「経営的な効率化を一手で実現すること」と表現できそうです。
組織再編の効力には強いものがあります。半面、強い力を利用すると副作用が心配です。利用を失敗したときの悪い影響も大きくなってしまうのでしょう。
医療にたとえれば、企業再編は外科手術です。リスクをコントロールしつつ、やるときには大胆に使わなければいけません。
●買収によるシナジーの獲得や戦略実現スピードアップ
他社や他社の有する事業を買収することで、自社にとっての有利なチャンスを手に入れることができる場合があります。
また、М&Aで会社や事業を戦略的に買収して、目的を達するまでの時間を節約することもできます。
●会社のスリム化・コスト削減
時間が経てば会社は肥大化する傾向にあります。
分社手法などを使って企業再編を仕掛けることで、会社のスリム化やそれに伴うコスト削減などを狙うことができます。
●会社や事業の売却
企業再編に絡めて会社や事業を売ることができます。
そのままでは売れない場合でも、会社分割や事業譲渡などの工夫により売却を実現できる可能性を高めることができます。
●業務提携や機会の増大
業務提携のかたちとして、企業再編を他社と共同して行う場合があります。
たとえば、共同して新会社を立ち上げたり、と。
そのために事業譲渡や会社分割を利用できます。
●事業や責任や権限の整理・経営効率化
社内にいくつもの事業が立ち上がり、権限と責任が不明確になっている場合に、各事業ごとで会社を作れば整理ができます。
複雑になった社内を企業再編で整理することもできるのです。
組織再編のタイプ
組織再編ツールには次のようなものがあります。なお狭義の組織再編ではなく、本サイトでは、広い意味での再編をご紹介しています。
目的に合わせて活用してください。
合併
合併は、2以上の会社が1社となることです。消滅する会社の権利義務の全部が存続会社・新設会社に包括承継されるます。
(さらに詳しく)
会社分割
会社分割は、会社有する権利義務の一部を他の会社に承継させる行為です。
事業等の一部を他社に承継させた法人も、会社分割後に存続することが合併とは異なります。新しい会社を作る新設分割と、既存の会社に承継する吸収分割に2パターンがあります。
(さらに詳しく )
事業譲渡
事業譲渡は、事業を他社と取引することです。事業の中には、資産負債、契約、従業員、営業権などを含めて、当事者の任意で調整することができます。
会社分割と類似の効果が生じますが、法的性質上の違いがあります。
特定承継ですので、例えば契約等を移転しようとすれば、個別にその契約相手方の同意を要します。
(さらに詳しく)
株式譲渡・株式売買
オーナーが持っている株式を他者に譲渡させることで、会社の支配権を移す手法です。通常のМ&Aで利用される一般的な方法です。
相続等で後継者に株式が譲られるケースも株式譲渡の一種です。
株式交換・株式移転
完全親子会社関係の創設を目的とする行為です。
契約や計画に基づいて手続をとることで、子会社となる会社の株主が有する株式を他の会社が取得します。
既存の会社が親会社になるか、新設の会社を親会社にするかで、それぞれ「株式交換」と「株式移転」に分かれます。
(さらに詳しく)