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靴磨きの現場から、想いと年末のごあいさつ

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この靴、もう20年近く履いています。

靴を磨きながら時間の流れを感じるとともに、
今でも美しさを感じてうっとりします。
(気持ち悪くてごめんなさい)

買った時よりも色の深みがあるし、
傷だって味わいです。

 

 

年末なのでいろいろ片づけたくなりますね。

僕は足元を支えてくれたお仕事用の靴を磨きました。

ブラシをかけたり、布で磨きながら、
なんとなく感謝したり、
今年一年を振り返ったりしました。

いい時間です。

 

 

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ここ10年近く靴を買っていません。
(スニーカーなどは別ですが)

つま先やかかとの修理をして、
靴底が薄くなったらソール全部を変えてきました

えっ、「その靴、臭そう」ですと!?

・・・大丈夫(たぶん)

ただ今、臭いをチェックしてきました(汗)

いい靴は大切に長く履けるものです。

 

 

もちろん、買う時にも気を使っていて、
流行に左右されないかたちの靴を選んできました。

また、背伸びしてでも、
ちょっといい靴を買ってきました。

高めの靴を選んでも、
結果的には安い買い物のようです。

毎年1足買って、履き潰す。

この繰り返しを続けることと比べたら、
20年以上履ける靴は、
おつりがくるのではないでしょうか。

おっと、お金で語るのは無粋ですね。

 

 

僕は、揺らがないものが欲しかったのだと思います。

 

暮らしの他の部分は結構めちゃくちゃで、
部屋は片づけられなければ、
生活リズムだってすぐ荒れます。

丁寧な暮らしなんてほど遠く・・・

でも、靴は、丁寧に長く使うことを好みます。

その習慣は続いています。

靴に歴史が宿り、それが愛着や
自分のアイデンティティのようなものにつながっている実感が
そうさせるのでしょう。

 

それこそ僕もたくさん足元を見られてきたはずです。

ホテルに入ったときなら、
ホテルマンに足元見られて値踏みされたことでしょう。

もしそのとき僕の靴を履いていなかったら、
もっと不安だったと思うのです。

今持っている靴のおかげで、
多少は地に足がついたんじゃないか、と。

 

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『手を入れて長く使っている靴』というところがポイントです。

ただ値段が高い靴ならば、
僕の靴よりも高いものが世の中にいくらでもあるでしょう。

でも、そこに“時間”と“想い”が入るとどうでしょうか。

自分の靴は絶対唯一の価値を持ってくるのです。

 

 

こういうの、よくないですか?

 

これが僕の価値観です。

今はその価値観に従って、
再生家を名乗って仕事をしています。

効率ではありません。

作っては壊すことの繰り返しとか、
分かりやすい金銭価値だけでものごとを判断するのは嫌いです。

世の中は成熟社会と呼ばれる段階に来ましたが、
もっと古いものを残して活かす方向にシフトすればいいのになって
思います。

「そんなやり方じゃ経済が回らない」
なんて批判があるのかもしれません。

でも、経済のために、
不自然な無理をしたり、
他を犠牲にするというのも・・・

 

 

経済性も踏まえて、
僕らはもっとうまいやり方を発明しないといけませんね。

ただ、古くても、良いものを使いまわすという方向は、
結果的に競争力を持っちゃうのではないでしょうか。

時間と人の手が加わったものには、
絶対的な個性や魅力、美しさを持ち得ますから。

 

こんな感じで、毎年考えていることは変わりませんが、
価値あるものを残していけるように来年も励みます。

 

今年もありがとうございました!

 

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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