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お客さんを叱る資格業が嫌い(ある会社分割の場面より)

お客さんの社長さんから、夜に泣きのメールがきました。

ちょっと遅めの時間でしたが、折り返しのお電話をしました。

ある目的のため会社分割を進めている会社です。

その件を顧問税理士と顧問弁護士に話をしたら、「こんな点は大丈夫なのか?」と責めるように問われたそうです。

そして、それに答えられないと「社長なのにそんなことも分からないのか」とまで言われてしまいました。

軽くパニックになって僕に連絡をしたといういきさつです。

電話で話をしたら落ち着いた様子に戻られたので良かったです。

女性の社長さんということもあり、顧問税理士などにとっては上から言いやすい相手だったのでしょう。

とはいえ、こういうものの言い方をする専門家って結構いるようです。

そもそも会社分割の法的手続や会計処理には分かりづらい点、細かいポイントが多くあります。

僕は事前に説明し、了解を取っていますが、社長は専門家でないのですから完全に理解するのは難しい話。

よく、説明を聞いた時点では理解していたけど、それを誰かに説明しようとしたら「・・・あれ?」ってときがありますね。

それと似たような状況になってしまったのではないでしょうか。

個人的には、すべてをその場で正確に答えられなくても仕方ないと思います。

そして何より「社長なのにそんなことも知らないのか」という論調には腹が立ちます。

専門家と社長ではそもそも人種が違います。

自分の腕とスキルで問題を解決するのが専門家らしいスタンスでしょう。

でも、社長はなにも自分の力だけで勝負をする必要はありません。

むしろ他人の力を利用して大きなことを実現することこそ、社長らしい姿とも言えなくもありません。

それを、専門家が自分と同じものさしを押し付けるのは間違っています。

たとえ答えられないことがあろうが「私はこの問いに答えられる人を知っている」で、十分だったりするのでしょう。

資格業の人間たるもの人に使てもらってなんぼなはず。

相手がなんでも知っているならば、もう存在価値はございません。

「そんなこと知らないのか」と偉そうに言う前に、そんなこと知らない人がいるから飯が食えていることに感謝しましょう。

もちろん、お客さんを叱ることのすべてが悪いわけではないはずです。

なかには叱ることで、気のゆるみを直そうとか、成長させようといった裏の意図がある場合だってあるはずです。

この場合には愛があります。

でも先のケースがそうでないことは僕には透けて見えます。

自分はすごい。

自分がやっている仕事はすごい。

こう見せたい気持ちがある人はきっと多いことでしょう。

(僕にもあります)

それがいびつになると、相手をたたいたり、相手の不備を突くことで、自分が上に立とうとするのかもしれません。

と、いろいろ書きましたが、偉そうにしている専門家が嫌いです。

結局それが言いたいことの全部でした。

〜お知らせ〜
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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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