奥村聡(事業承継デザイナー)
NHKスペシャルで「会社のおくりびと」として取り上げられた奥村聡が現場で培った経験を元に話します

分社や相続のときの不動産の評価って?

不動産をいくつも所有している会社の分割を手掛けています。

この手の案件では「不動産をいかに評価するか」に関心が集まることがあります。

相続における遺産分割でもそうなのですが、「みんなで平等に分けましょう」と決めたって、個々の資産の評価が分からなければ分けようがありません。

 

ただ、不動産の評価は、特にややこしいものがあります。

一物四価とか五価といって、不動産にはいろんな価格が登場します。

公示地価、基準地標準価格、固定資産税評価額、相続税路線価とか・・・

さらに、不動産屋さんに査定してもらったり、不動産鑑定士に鑑定してもらったりといった違いもあります。

買ったときの取得価格を基準にすることもありかもしれません。

 

全部を覚えなくても大丈夫です。

ひとまず「いろんな価格と評価の出し方があるんだ」ぐらいに理解しておいてください。

僕みたいな分社や相続の遺産分割をコーディネートする立場の人間ならば、関わっている案件でどの評価方法を使うかを判断できなければなりません。

関係者に納得感をもたせられるロジックも必要になります。

ただ、一般の方に求めたいのはそんな知識ではありません。

むしろ反対のことです。

 

見てのとおり、不動産にはいろんな評価があるし、評価の仕方もいろいろです。

これは結局のところ「正しい価値なんてない」ってことではないでしょうか。

どれも正解のようで、どれも間違っている。

とても曖昧なものが、不動産の価格の正体だと思います。

 

 

また評価の問題だけはありません。

不動産には経費や手間、税金もかかります

将来的な値上がりや値下がりなどの価値変動もあります。

地震などの予期せぬ危険だってあるわけです。

そうなるともう、不動産の価値なんて把握しきれないと思いませんか。

 

だから、不動産の評価に神経質になっても意味がない。

ほどほどのところで折り合いをつければいい。

こんなゆる目の姿勢で臨むことが大切なんだと思っています。

細かいところを気にすると、どんどん深みにはまってしまいます。

どこかでバランスを欠いてしまい、話し合いがうまくいかなくなるのがオチでしょう。

(実際、そうなる傾向があります)

不動産の細かい評価にこだわるなら、当事者感情にもっと気を遣ったほうがずっとましです。

数字にはおおらかに、人間感情には繊細に。

うまく話をまとめるための法則かもしれません。

 

 

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プロフィール

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は850社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられたコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?
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