事業承継の『経営者保証に関するガイドライン』をぶっちゃけ解説

「中小企業の社長の高齢化が止まらず、事業承継が進んでいない。その原因のひとつは、借金の個人保証によるものだ」

このような論点で、「経営者保証に関するガイドライン」において事業承継に焦点をあてた特例が作られました。

事業承継デザイナーの奥村聡の目線で解説してみましょう。

 

『経営者保証に関するガイドライン』は、本当のところ使えるの!?

「経営者保証ガイドライン」の活用で、要件が整えば“事業承継時に保証を解除出来る可能性がある”ということです。

奥歯にものが挟まったような言い方をしなければいけないのは、あくまで「経営者保証ガイドライン」は法律ではないということです。

債権者に対する強制力はありません。

 

お上は、ガイドラインを使って後継者の個人保証が免除されれば、ちまたの事業承継がより進むという思惑なのでしょう。

ただ、本当にそうなのでしょうか。

私の知る限りでは、このガイドラインに該当するケースで「後継者が個人保証さえ追わなければ事業承継が進んだのに・・・」といったケースはほぼありません。
(このありは後述します)

 

一方で、金融機関に対しては効果を生むかと期待する面もあります。

金を貸しているという立場を使って「そりゃないだろう」という条件を提示されたことが過去にはありました。

後継者の信用力不足を理由に、先代の保証を外さなかったり、過度な担保を取り続けたり・・・

こんな不合理の是正につながるとありがたいところです。

 

「経営者保証に関するガイドライン」×実務家目線

「経営者保証に関するガイドライン」の中身に切り込んでいきましょう。

とはいっても、ここで制度の内容をすべて解説することはいたしません。

もし制度の中身を正確に知りたい方は、経営者保証に関するガイドライン研究会によるレポート『事業承継時に焦点を当てた 「経営者保証に関するガイドライン」の特則』などを参考にしてください。

この記事では制度そのものの紹介は簡単済ませ、そのうえで実務家目線での解説をさせていただきます。

要は、本当のところ使えるの!?です。

 

経営者保証解除の要件

まず「経営者保証ガイドライン」の事業承継時の特例に提示されている、経営者の個人保証の解除の要件を押さえてみましょう。

事業承継時に、経営者保証を解除する為に必要とされる経営状態の要件が「経営者保証ガイドライン」に3つ提示されています。

①法人と経営者(個人)との関係の明確な区分・分離
②財務基盤の強化
③財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保

分かるような、分からないような・・・という感じだと思われます。
もう少し具体的に見て行きましょう。

 

「①法人と経営者(個人)との関係の明確な区分・分離」

まず、「①法人と経営者(個人)との関係の明確な区分・分離」です。

もともと個人保証の商慣習がはじまった理由のひとつに“中小企業の社長は会社の金を好き勝手にできる”というものがあったはずです。

お目付け役はほぼ存在しないも同然です。

社長がその気なれば、会社の金を自分に貸して、その金で遊ぶこともできます。しかも、その財源は銀行からの借金だったり、と。

このように、中小企業では個人としての社長と会社との境界が不明確になりやすいところです。

個人保証は、銀行が社長につけた首輪という意味合いがありました。

要件①は、「会社と個人を明確に線引きをしない限りは個人保証を外すことなんてできませんよ」という意図となります。

 

「②財務基盤の強化」

次に、「②財務基盤の強化」です。

要は、「十分に今の借金を返せないようならば個人保証を外すことはできない」という意味です。

この要件を満たすには、借金に対して十分な資産を有していること。

利益が出ていて、金融機関の定める約定返済をクリアできる見込みがあることなどが求められることになるはずです。

場合によっては担保力も見られるかもしれません。

 

逆に「②財務基盤の強化」の要件を外しているケースを考えてみれば、より分かりやすくなるでしょう。

たとえば、「債務超過」。

資産よりも負債のほうが大きくなってしまっている会社は、財務基盤が弱いと判断されることでしょう。

また、返済猶予、いわゆるリスケジュールを受けている会社もダメだと思われます。

要件②は「借金をちゃんと返せる状況ならば、社長(後継者)の個人保証がなくてもいいよ」という意図になります。

 

「③財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保」

最後は「③財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保」です。

オープンに情報を開示する姿勢と、それを可能にする財務管理システムが構築されていることが要件となるのでしょう。

「経営者保証ガイドライン」では、上記の3つの要件が揃っている場合、社長の個人保証を外せる可能性があるとなっています。

また、制度を機能させる仕組みとして「経営者保証コーディネーター」という専門員が用意され、相談に乗ったり、金融機関との話し合いに同席してくれたりするようです。

経営者保証コーディネーターが関わるものについては、信用保証制度の保証料の軽減も受けられる、ということにもなっています。

 

 

「経営者保証ガイドライン」を現実的に考えてみる

さて、ここまで「経営者保証ガイドライン」をざっくりご説明してみました。(かなりおおざっぱな説明でしたので、興味がある方は原文にあたってください)

この先は、この分野の現場の実務家として思うところ、危惧するところを書き出してみたいと思います。

「経営者保証ガイドライン」の利用の是非についての参考になれば幸いです。

 

所詮、ガイドライン

「経営者保証ガイドライン」は文字通り“ガイドライン”です。

強制力を持つ法律ではありません。

となると、効果を鵜呑みにしないほうが身のためでしょう。

 

この話を進める前に、個人保証に関して金融機関が置かれている立場をお話しさせていただきたいところです。

実はすでに、金融機関に対して『二重保証』が原則禁止されています。

 

かつては、事業承継のタイミングで、先代社長と後継者の2人の保証が取られることがありました。

後継者に信用や担保力がないため、一線を退いた社長の担保を銀行が外そうとしなかったのです。

しかし、保証が残るようでは引退した社長は気が休まりません。

「保証が切れないのだったら社長は辞められない」という経営者が出現しても不思議ではないところ、そうなると事業承継の循環を阻害しかねません。

 

金融機関に対して、やり過ぎだという批判があがりました。

優位な立場の濫用です。

そのような経緯で、銀行は原則1人しか保証人をとれないということになったのです。

 

ついでにお話すると、銀行が第三者保証人をとることへの風当たりも厳しくなっています。

第三者保証人とは、経営に関与していないのに借金の保証だけをさせられる人です。

会社の借金を保証するメリットもなく、あまりに酷な立場でした。

それはひどいということで、こちらも批判の対象となったのです。

 

もし、社長が事業承継を済ませて引退すれば、第三者となります。

すると、銀行としては先代社長に借金の保証をさせ続けることが難しくなります

もちろん第三者保証人になってしまうからです。

 

話を整理してみましょう。

・銀行は一人しか保証人を取れない

・しかも第三者に保証させることは困難

すると、事業承継後の保証人は、基本的に後継者しかなり得ないということになります。

 

このベースがあるうえで、さらに「経営者保証ガイドライン」では、後継者の保証すら外せと要求しています。

これが銀行にとって簡単に飲むことはできる条件なのか、想像してみてください。

私が銀行サイドの人間ならば「そこまで譲歩させられなければいけないのか」と遺憾に思うことでしょう。

 

ここまで考えると、「経営者保証ガイドライン」に定められているからと言って、簡単に保証が外れるものと高を括るのはあまそうな気がしてきます。

制度のパンフレットには「事業承継時の経営者保証を不要とする新しい制度ができました。」と大々的にキャッチコピーが載せられていました。

こんなに言い切っちゃって大丈夫なの?と、こちらが不安になります。

ちなみに、パンフレットの別のところにすごく小さな文字で「※経営者保証解除に関する最終的な判断は、金融機関となります」と責任逃れの文言もしっかり載っております。

 

所詮、「経営者保証ガイドライン」はガイドラインなのです。

あまり過信してはいけないということでしょう。

 

 

経営者保証コーディネーター関与による懸念

経営者保証ガイドラインを運用するために、経営者保証コーディネーターの関与が想定されています。

想定どおりに事が進めば一定の効果を発することでしょう。

でも、悪い方向に作用する懸念もあります。

 

おそらく、保証外しを要求する前に、コーディネーターの指図により事業承継計画や事業計画を作らされることになると思います。

往々にしてこの手の取り組みでは、時間を無駄にさせられます。

形式を合わせるためだけに、数字合わせの計画書を作ったらされたり、報告等の事務作業に忙殺されたり・・・

『時間』という補充の利かない重要資源のロスを甘く考えてはいけません。

計画も本気で作れば価値がありますが、魂のないものに手間を掛けさせられている場合ではないのです。

 

また、銀行の立場になってみましょう。

経営者保証コーディネーターが突然横から入ってきて、「保証をはずせ」と要求されることになります。

不愉快な思いをさせることになり、下手を打てば、どこかでしっぺ返しをくらうことにつながるかもしれません。

銀行との付き合いは、保証が外れたら終わりではないのです。

それを、過去のいきさつや、今後の銀行取引に興味のない者の介入で、波風が立てさせられるケースを危惧します。

「経営者保証コーディネーターを連れてくる前に、先に相談してくればいいのに・・・」

これが銀行の本音だったりするのではないでしょうか。

 

ガイドライン無しでも保証は外せる!?

もしかしたら勘違いされている方がいらっしゃるのかもしれませんが、この「経営者保証ガイドライン」がないと社長の個人保証は外せないというわけではありません。

任意で、双方の合意をもって個人保証を外すことは可能です。

現に私のクライアントの会社でも、「経営者保証ガイドライン」が制定される前に保証外しに取り組み、成功してきたケースがあります。

 

となれば、「経営者保証ガイドライン」を使わないで、個人保証をはずす試みも一案だと考えられませんか?
普通に債権者たる銀行に、「うちの会社は事業承継を進めるんだけど、後継者の保証は免除してくれない?」と相談を持ち掛けるのです。

あくまで任意の話し合いというスタンスです。

「経営者保証ガイドライン」は手持ちのカードです。

カードの存在をちらつかせてもいいのですが、話し合いによる合意を引っ張り出すことが狙いです。

この方法ならば、経営者保証コーディネーターに状況を乱されることがなくなります。

無駄な事務作業に時間を取られることもありません。

銀行サイドからしても、経営者保証コーディネーターに関与されるより、柔軟な対応ができるはずです。

もし、これでダメなときは、本当に「経営者保証ガイドライン」を使えばいいでしょう。

根回しをしたのだから、失礼にはあたらないはずです。

 

おそらく事業承継の促進をもたらさない・・・

後継者の個人保証を外せる場合の要件をもう一度見てみてみましょう。

要は「会社と社長個人の分離ができていて、会社として借金を十分に返済できる力があるならば個人保証を外してもいいよ」ということです。

後継者の立場で考えれば、こんなコンディションの良い会社ならば、継いだところでなんの問題もないはずです。

そのうえ、保証まで免除してもらえるとなれば・・・かなり甘やかしてもらっていると感じなくもありません。

 

私が、この制度が事業承継の促進にはあまりつながらないと考える理由はこのあたりにあります。

良いコンディションの会社なんだから、後継者が継がない理由はないわけです。

もし、そんな状況なのに「個人保証が不安だから・・・」といってためらう後継者がいるのならば、覚悟がなさすぎます。

経営なんてやめてほうがいいでしょう。

 

もともと継がれるべき会社なんだから、こんな制度を改めて作ったところで、成果に差はほとんどでないはずです。

あるとしたら、「せっかくだし事業承継のタイミングを早めようか」というくらいではないでしょうか。

 

会社と社長が切り分かれていて、借金返済に問題がない会社だということは、個人保証がそもそも不要だったという意味です。

保証が不要となるのが当然であり、その当然を「経営者保証ガイドライン」がわざわざ明文化しただけだとも言えます。

 

要件に当てはまらない会社はどうするのか?

本当に事業承継の問題が切実な会社は、この「経営者保証ガイドライン」の要件に該当しない会社です。

借金が大きすぎたり、返済可能な利益を出せていなかったりする会社です。

事業承継を考えなければいけない中小企業には、こちらの会社のほうがきっと多いことでしょう。

こちらのタイプの会社の場合、継ぐかあきらめるのかの判断を慎重にしなければいけません。

仮に、チャレンジする場合には相当工夫をしなければいけません。

下手を打てば、会社ともども後継者は地獄に堕ちます。

本来助けが必要な会社にとって、「経営者保証ガイドライン」が実は何の助けにもならないというジレンマがあるのです。

 

全体的な視野を忘れずに!

以上、事業承継にまつわる「経営者保証ガイドライン」について思うところを好き勝手に書かせていただきました。

最後に注意を喚起したいのは、社長の個人保証の問題は、全体から見れば部分的な問題に過ぎないということです。

事業承継を含めた会社の着地問題を攻略するには、全体を考慮した上での根本的な解決策が求められます。

そういった意味で、「経営者保証ガイドライン」は道具のひとつでしかありません。

過度な期待をして落とし穴にはまらないようにしないようにしていただきたいところです。

 

事業承継税制とは(特徴とメリット、導入について)

事業承継税制が新しくなります

事業承継を専門的にあつかっているため、僕のところにその導入について質問が寄せられることがそれなりにあります。
また、税理士さんと組んで一緒にスキームを作ることもあれば、社長のブレインとして他の専門家が書いた企画の採用可否を検討することも。
そのような立場から、新しくなった事業承継税制を考察してみました。

自社株の相続税問題の所在

そもそも株価対策や事業承継における相続税の何が問題になのかピンと来ていないという方のために、一度整理をしておきます。
中小零細企業の場合、社長が自社株式のほとんどを有している場合が大半です。
社長がお亡くなりになれば、その株式は家族に相続されます。
その際、会社の財務状況が優良だと、株式が高く評価されることがあります。
株式が高く評価されると結果的に相続税が増えてしまいます。

対象が自社株式だという点も厄介です。
不動産や上場企業の株式ならばいざとなれば換金もできます。
しかし、小さな会社の株式には流通性がほぼありません。
時には、換金できないものを手にいれるために、多額の税金を払うという酷な結果を強いられることもあります。

自社株式の株価が低くなれば、問題は解消されます。
相続税は減るし、生前のうちに後継者に株式を移転させることだってやりやすくなります。
その為にあえて会社の利益を減らしたり、財務内容を悪くするといったスキームが使われることもありました。
本末転倒と言ってしまえばそれまでですが・・・

新しくなった事業承継税制は使えるのか?

これまでの事業承継税制の利用は、ほぼ考えられませんでした。
事業承継の節税手段としてまったく利用できない手法のとして、頭の中から切り捨てていたぐらいです。
しかし、2018年の改正を受け、使える場面は増えるのではないかと感じています。
会社の状況によっては有効でしょう。

とはいえ、世の中小企業の多くの会社にとっては、あまり関係のない改正だったりもします。
この事業承継税制は、相続税の対策を立てなければいけないぐらい株が高く評価されてしまう会社でなければ活用することはありません。
負債に比べてかなり資産が大きい場合などがこれにあたります。
事業承継をひかえている会社で、特段株価対策が必要となる会社は全体から見ればそんなに多くありません。
一部の専門家の頭では「事業承継=株価対策&相続税」になっていますが、その認識は現実とのギャップがあります。

また、株価対策が必要であっても、そんなに大きくない会社(年商1億円ぐらい?)ならば、従来の株価の引き下げ策などで十分だとも考えます。
退職金や生命保険を活用したり、と。
手続の手間などを考慮したら、事業承継税制の利用は避けておきたいところでしょう。
このような理由で、事業承継税制を使う必要がある会社は少数派です。
ここに該当しない会社はこの先を読む必要はありません。

事業承継税制は廃業増加を回避するのか

僕のところには政策としてどうなのかという質問もたまに寄せられます。
横道にそれますが、政策としての事業承継税制の意味も考えてみます。
その質問の意図は、現在の事業承継問題を改善できるのか。
ひいては後継者不在による廃業増加の問題に対する効果があるのかを聞くことでしょう。

この点について僕としては、ほぼ効果なし、と考えています。

事業承継税制は確かに使いやすくなりました。
しかし、この制度を使うのは、それなりの規模の会社であったり、財務内容が良い会社になることはすでに述べました。

これらの会社において、はたして「後継者がいないから廃業する」というケースがどれほどあるでしょうか。
状況がいい会社なのだから「後継者になれるならならせて欲しい」というニーズは多いはずです。

また、仮に適任者がいなくてもМ&Aで売却できる可能性は高いところでしょう。
事業承継税制が改正されなくても、そもそも廃業することはなかった会社だということです。

廃業予備軍に対して歩み寄る制度になっていない時点で、正直、廃業増加を食い止める効果はほぼないと思います。
むしろ、状況の良い会社をさらに後押しする制度のため、優良な会社とそうでない会社の二極化をさらに促進する可能性も感じます。

 

事業承継税制の中味

事業承継税制にはどんなメリットがあるか?

前置きが長くなりましたが、制度の中味を見ていきましょう。

事業承継税制は、株価が高いことによる相続税問題を解消することを狙って作られました。
事業承継問題を背景に、中小企業が次代に事業をバトンタッチしやすくするため、特例を使えば相続税を減らしてあげますよ、という趣旨です。
2018年からは、事業承継計画を各都道府県に提出することで、自社株式の評価を100%オフになる可能性ができました。

例えば通常ならば10億円と評価された株式が、0円として扱われるわけです。
すると相続税だってグイっと下がります。
場合によっては、何千万、何億もの相続税が削減されることもあり得えるかもしれません。
自社株式に対する相続税がまるまるかからなくなるということで、会社によってはとても大きなメリットを享受できそうです。

事業承継税制活用の詳細

メリットが大きそうな事業承継税制ですが、それなりの条件や義務も課せられます。
なお、この先の話は分かりやすくするため簡単にしている面があります。
導入の際は、税理士さんと相談しながら慎重に進めてください。

【1】事業承継税制が使える条件
【2】5年間の事業継続の条件
【3】5年経過から免除になるための条件

事業承継税制が使える条件

事業承継税制を利用するための前提条件です。

・中小企業であること

資本金基準、または従業員数の基準のいずれかで、中小企業に該当していることが条件となります。
・筆頭株主である先代社長から、株式と経営権を受け継ぐこと
この点、先代と後継者の要件につき、今回の改正で緩和されましたが、めったにないケースでしょう。

・適用期限

2018年4月から2023年3月までの5年間の間に事業承継計画を各都道府県に提出する必要があります。

・管理会社ではないこと

資産管理のためだけの会社は使えません。例えば、不動産を管理するための法人の場合です。ただし、リアルな営業所があって、親族外の雇用があるような場合は管理会社とはみなされません。

5年間の事業継続の条件

事業承継税制が適用されるためには、5年間の事業継続が必要とされています。
事業継続の定義は下記となります。
これに該当しなくなるときは、本来支払うべきだった相続税に利息を加えて納めなければいけなくなります。

①社長であること
②株式の継続保有
③80%以上の従業員の継続雇

今回の改正による要件緩和は?

事業承継税制は前からありましたが、ほとんど使われることはありませんでした。
利用の最大の障害となっていたのが、「株式の継続保有」と「従業員の継続雇用」の要件のためでしょう。
たとえば、とても良い条件でМ&Aによる会社買収の話を持ちかけられても、株式を売却すると「株式の継続保有」の要件にひっかかります。

また、急な不況などで人員を削減したくなっても、80%の従業員雇用をキープしなければいけませんでした。
私が知る会社でも、このあたりを危惧して事業承継税制の利用を見送ったケースがあります。

事業承継税制の利用を妨げていたこれらの要件につき、今回の税制改正で救済策が準備されました。
たとえば、経営状況の悪化等の正当な理由があれば、8割雇用を満たせなくなっても直ちに打ち切られることがなくなったり、と。
このことで使い勝手が大幅に改善され、利用を検討する余地がある制度になったと思っています。

免除になるための条件

免除までの最後の条件です。
ここまではあくまで、納税の猶予でした。
「相続税を本来払わなければいけないけれど、支払いを猶予してあげますよ」というレベルです。
これを、相続税を納める必要まで免除してもらうにはどうしたらいいでしょうか。

これは利用から5年経過後も株式を継続保有ことです。
最終的には、事業承継税制で株式を受け継いだ社長が亡くなったときか、同人がさらに次の後継者に株式を引き継いだときに免除となるようです。
こう考えると、免除まではなかなか長い話になってしまうことが分かります。

結局のところ、事業承継税制はオススメなの?

いろいろと書いてきましたが、結局のところ事業承継税制はどうなのでしょうか。
この点については、僕の完全なる主観であり、また適用の可否は対象となる会社によって大きく異なります。
その上であえて評価するなら、できるだけ使わない方がいいと思っています。

利用には手間がかかります。
それは費用やエネルギーが必要となることを意味します。
また、免除まで勝ち取ろうとすれば長い時間が必要です。それまで、特例利用のために動いてくれていた税理士がずっと面倒を観てくれるかも分かりません。
かなり緩和されたとはいえ、制度の利用により、将来の自由が制限される面は依然として残ります。

『技に走る者は技で足元をすくわれるもの』だと思っています。
事業承継税制はあくまで本来納めるべき税金の猶予であることも忘れたくありません。
ならば、前々から事業承継を見越した準備をすすめ、このような制度を使わなくても乗り越えられるようにしておくことこそ王道だと思います。
安易な利用推進に警鐘を鳴らさせてください。

それでも事業承継税制を導入したいならば

事業承継税制の利用は、あくまで手段でしかない点は忘れて欲しくありません。
本来の目的やゴールは何でしょうか?
広い視野で事業承継を見渡せば、税金問題は事業承継の一部の小さな話だったりすることがあります。
ところが、税金問題で目を奪われと、他の大切なところを見落としてしまうことはありがちなパターンです。
手段が目的化してしまっているのですね。

手段の用い方には工夫も必要です。
自分たちに合うように上手に使わなければいけません。

言ってしまえば税理士等の専門家だって手段です。
専門家は自分の専門分野のことしか見えていない場合が多く、その分野を最適化させることが別のところを悪化させるケースがあります。
専門家だからと言いなりになってはいけません。
力を引き出しつつ、上手に活用できなければいけません。

こういった意味で、事業承継、さらには会社経営から個人の相続といった全体を見渡せるディレクターのような存在は求められるのでしょう。

 

事業承継のご相談はお気軽に

事業承継デザイナーの奥村聡は、相続問題だけでなく、会社経営から人間関係などまで横断した事業承継支援を行っています。
事業承継に関するご相談は何でもお気軽にお寄せください。

相談申し込みは、こちらのフォームからお願いします。
問い合わせフォーム

 

(参考サービス)

「事業承継デザイナー顧問」
継がせられる会社をめざした異常発見と体質改善

事業“承継”計画づくり支援
本格的に次世代への承継に動き出したい方へ

次世代後継者支援について

 

第三者への事業承継の概論

血のつながらない人間を事業引継ぎの後継者に

『血縁がない者』に事業を継がせるケースもあります。

親が社長をやっていたとしても、親の会社で子供が働いていないケースが増えているので、近頃、この第三者パターンの事業承継の割合は増えています。

ただし、同じ親族外に承継させるケースでも、

①経営幹部や従業員などの内部人材に事業承継する場合

②まったくの外部の人材に会社をゆだねる場合

でまったくアプローチは異なります。。

後者は『継業(けいぎょう)』などと呼ばれることもあるようです。
→「継継業とは(外部の第三者へ承継)

 

第三者承継は、子供がいないときの代替策か?

事業承継のセオリーでは、子供の後継者がいない場合の代替策として、この従業員や社外人材への承継が考えられてきました。

たしかにこれまではそうだったのかもしれません。しかし、現代のように変化の大きな時代となると、血縁か否かよりも、後継者の持っている能力や人徳の方が重要となっている気がします。

ゆえに、時には子供がいるのに、あえて血縁がない人材を会社の後継者に選択するケースもあります。

 

血縁を重視するか否かに正解はないので、先代社長が何を大切にするかの問題です。

ファミリービジネスにこだわるのか、会社の存続なのか。事業の内容や組織的に、どんな人材をトップにした方がいいのか。さらに後継者候補の姿勢や能力は・・・

まずはご自身の『ものさし』をはっきりさせることが大切なのでしょう。

 

第三者を後継者にする場合の問題点

血がつながらない人物を後継者と決める場合、その人の能力や人間性は認めている場合が多いはずです。「こいつなら会社を任せてもいい」と思っての判断でしょうから。

そうなると、第三者への承継の場合は、ソフト面よりも手続や形式面での問題がネックになりやすいのでしょう。

 

たとえば、株式をどうやって手渡すか。

相手は血縁ではないので、「ほっておいても相続で株式が手に入る」ということはありません。何か特別な手を打っておく必要がでてきます。

→「血のつながらない従業員後継者に株式を承継

また、後継者の資金力が乏しく、株を買取ることが難しいケースもあります。こんなときは分社の手法を使うなどの工夫が必要な時もあります。

→「従業員には分社して承継する?

 

第三者への事業承継のお手伝い

事業承継デザイナーの奥村聡は、事業承継のお手伝いを得意とします。後継者が第三者のケースでは、より価値あるコンサルティング等ができるでしょう。

法的手続だけでなく、経営や数字面、さらには後継者との間に入った意見調整まで担えます。後継者さがしに乗り出す場合もあります。

まずはお気軽にお問合せください。

(参考サービス)

第三者後継者への事業承継支援

「事業承継デザイナー顧問」
継がせられる会社をめざした異常発見と体質改善

事業“承継”計画づくり支援
本格的に次世代への承継に動き出したい方へ

次世代後継者支援について

 

子供への会社引継ぎの概論

 子供に会社を引き継ぐ場合

一番オーソドックスな事業承継といえる『子供への会社引継ぎ』を考えてみます。

シンプルな形態ですが、けっして簡単ではない事業承継のかたちです。上手くいかなかったケースは、ちまたには山のように積みあがっています。

また近年、事業継承のパターンの中で、この子供が会社を引き継ぐケースの割合は減少傾向にあります。背景に価値観や生活環境の変化などがあるためです。

子供が大学や就職で地元を離れて帰ってこなくなるケースがその典型。事業を営む親も「会社を継ぐよりも、大企業の従業員や公務員などの安定した職の方がいい」と考える人が増えたように思います。

 

子供への事業引継ぎの問題点の数々

「親がやっていた会社なんだから子供が継ぐのが本来の形」と考える方は今でも多いのでしょう。時代は変わっても、それが基本かもしれません。

 

しかし、あまく見ては痛い目に合うかもしれません。事業承継で親子関係がこじれてしまうケースや多々あります。

後継者候補として入社させたものの、社長である親と上手くいかなくなって結局会社を去ってしまった・・・などはその典型です。関係が近いからこそ感情的になったり、距離感を詰めすぎたりしやすいのでしょう。

 

親の方は会社を継がせたいのに、勤め人になった子供にはその気がないというパターンも。最近では反対に、子供は会社を継いでもいいと思っているのに、親の方がそれを許さないというケースも増えてきたような気がします。

会社の現状や業界の先行きから、子供に事業継承をしたら不幸にさせてしまうと考えるのでしょう。

 

複数のお子さんがすでに入社して働いている場合、誰を後継者として選んだらいいのかという悩みを抱える社長さんがいらっしゃるかもしれません。

後継者の経営者教育はどうしたらいいのかに頭を悩ませている社長もいらっしゃるかもしれません。

そもそも事業が稼げていない。借金が膨らんでいる。「こんな会社を継がせていいのか」という悩みを抱えている社長が多くなっているのも、成熟社会を迎えた今どきの事業承継です。

(参考)
「誰に事業を引き継ぐべきか」
「借金が大きくなり過ぎた事業引継ぎ」

 

会社引継ぎの論点は3つ

後継者が無事に決まったとしましょう。次は具体的な承継のやり方を詰めることになります。ポイントは、①経営権、②株式、③後継者育成に分けて考えられます。

①経営権では、決裁権や裁量の後継者への引継ぎがテーマです。社内でのリーダーシップの問題も含まれるでしょう。

「“経営権”を後継者たる子供に譲る」

 

②株式は、所有物としての会社の引き継がせ方を問います。法的にどのように承継するかと、それに付随する税金の問題があります。

「“株式”を子供に継承する」

 

最後の③は社長を務められるようにするための後継者教育の問題です。

「事業継承の“後継者育成”を考える」

 

お子さまへの事業承継のお手伝い

事業承継デザイナーの奥村聡は、貴社の事業承継のお手伝いをしています。

法的手続だけでなく、経営や数字面、さらには人間感情面まで踏み込んで出口まで導きます。

まずはお気軽にお問合せください。

(参考)

事業“承継”計画づくり支援

●「事業承継デザイナー顧問」
継がせられる会社をめざした異常発見と体質改善

 

子供が継がない場合の事業継承はどうしたらいいのか?

「後継者がいなければМ&A」に物申す

「子供は東京の会社でサラリーマンをしていて、家業を継ぐ気はまったくない」こんなケースが、会社の後継者不在の典型例でしょう。

「後継者がいないならばM&Aで会社を売ればいい」という提案がなされる場合があります。

でも、お金まで出して買ってもらえるような会社は現実には少ないものです。多くの会社では、通常のM&Aで問題を解決できません。

買い手は、スケールメリットや人に頼らない事業内容を一般的に求めます。一方、小さな会社や店舗の場合、自分の目が届く範囲で人的に仕事をしている場合が多いのです。

 

また、М&Aに必要なコストは安くても数千万単位になる場合ばかりです。

仲介会社への着手金や成功報酬に加え、会計士や弁護士などの専門家による精査の作業(デューデリジェンス)にも何百万円もかかります。

これだけの費用を使ってでも売買される会社とならば、世の中にそんなに多くないことは想像いただけるでしょう。

 

事業承継への対策として、М&Aが有効な場合は確かにあります。ただし、それはどちらかと言えば特別なこと。

「会社なんていざとなれば売ればいいや」なんて楽観的に考えていては足元をすくわれてしまいます。

事業引継ぎ支援センターは?

後継者がいないために廃業する会社がたくさんあります。改善されない事業承継問題に業を煮やし、行政主導で各都道府県に『事業引継ぎ支援センター』が置かれました。

鳴り物入りでスタートした機関ですが、実績と言えば・・・とても乏しいといってしまっても過言ではないと思います。

いろいろと機能していない理由は考えられますが、一番の原因は既存のМ&Aの仕組みに乗せようとしているだけだからでしょう。

銀行などが持つМ&Aの仕組みへの単なる窓口になっている場合がほとんどです。それでは機能しないのはすでにお話した通りです。

 

 

これまでの事業承継の常識を捨てる

もう、これまでの発想は変えたほうがいいのでしょう。

私が考える捨ててしまったほうがいいМ&Aの常識は、「そのまま会社を承継する」と「名前を隠す」の2点です。

 

会社は整えてから売る

通常のМ&Aでは、株式の売買だけが行われ、会社をそのまま承継することが普通です。

しかし、そのまま売ったのでは買ってもらえない会社のほうが現実は多いのでしょう。

赤字の事業を抱えていたり、借金が大きかったり。余計な資産がある場合もあれば、人の問題があるケースだってあります。

そんな場合では「継がせられるかたちに整える」という発想が求めれるのです。

 

例えば、資産が大きく、株式を買取る時に払えないレベルの多額のお金が必要となる会社があったとしましょう。

こんな時は、資産と事業を別の会社に分社し、事業の会社だけを売れれば安くすることができます。

または、分割払いや成果報酬などの払い方の工夫により解決できることもあるかもしれません。

従来のM&Aに、調整という発想を加えるべきでしょう。そして、それを担えるコーディネーターの存在が重要になってきます。

 

名前を出してみる

匿名でコソコソやるのもМ&Aの常識でした。実務では守秘義務契約に非常に気を遣います。

しかし、本当にそれしか方法が無いのでしょうか。私は、売り手の顔が見える形で後継ぎがを求めるスタイルがあってもいいとずっと感じていました。

顔が見えることで、買い手とのミスマッチが防げます。買い手探しや調査を軽減できるので、コストも減らせます。

そんな意図で、『あきないバトン』という取り組みを開始。顔の見える後継者募集にチャレンジするようになりました。

 

「後継者がいないことを知られたら、商売にマイナスの影響が出る」と考える方もきっといらっしゃるでしょう。

しかし、事業の継続のために努力し、堂々と後継者を探す姿は好感を持って迎えられると思います。また、周囲を巻き込んで応援してもらえるようになり、むしろ商売にプラスとなるかもしれません。

隠しているつもりでも、周囲の人は「後継者どうするんだろう?」と心配しています。だったら、思い切ってぶっちゃけてみたっていいのではないでしょうか。

 

「誰も継がないよ」とあきらめる前に

「そんなこと言ったって、うちなんて誰も継がないよ」とあきらめがちな社長さん。やってみなければわかりません。

事実、私が過去に主宰していた『リノベーション起業研究会』というコミュニティには、会社やお店の後継者になりたい人が集まってきました。

最近では、地元で働きたい、東京から地方へ移住したい、地域に根を張って生きたいというニーズが強くなっています。その実現手段として、既存の会社などの承継を提案してあげることができるのではないかと考えています。

 

そもそも事業を継がせなければいけないの?

ところで、そもそも事業を誰かに継がせなければいけないのでしょうか?

「別に面倒な思いをしてまで継いで欲しいとは思わない」とか、「ウチの事業を継いでもらうことはあきらめた」とか・・・。そんな社長の気持ちもわからないでもありません。

それでもやっぱり、継がせるメリットは大きいと思うのです。

自ら廃業するよりも誰かに継いでもらったほうが、通常、経済的な利益は増します。

また、これまで続けてきた会社やお店には、ノウハウや信用などの目に見えない価値もあります。こんな価値をこれからの若者に継がせることは、社会的に大きな意義があります。

 

そして、ご自身が心血を注いできた事業や会社は、かけがえのないものであるはずです。

かつて、倒産間際になって、かろうじて事業の一部だけを他者に継いでもらい、その後破産をした社長がいました。

このような最期をむかえたことに、経営者として相当な挫折感があったはずです。それでも、「自分が人生を費やしてきた事業が、一部であれ残してもらえることが心の底からうれしい・・・」と語っていました。

 

後継者問題は腫れ物にさわるように扱われがちです。でも、そのような姿勢が問題解決を遠ざけているように思えてなりません。もっとオープンに助け求めることで、道は開けるのではないでしょうか。

 

●「事業承継デザイナー顧問」
継がせられる会社をめざした異常発見と体質改善

事業“承継”計画づくり支援
本格的に次世代への承継に動き出したい方へ

 

06.事業継承での生命保険活用

事業継承における生命保険の活用

生命保険も使い方次第では事業継承や相続に力を発揮します。

相続税を減らす

生命保険には非課税枠があります。

その分の生命保険を使えば、それだけ相続税が安くなるのです。

たとえば、預金500万円を持ているのと、
生命保険で受取人に500万円支払われるようにしておくのでは、
後者のほうが相続税を安くできます。

代償分割の時の資金に

遺産分割のやり方のひとつに代償分割があります。

何かを相続する代わりに、
差額分を金銭で支払うようなやり方です。

たとえば主な相続財産が自宅(6000万円)しかなく、
相続人として子供が3人いたとしましょう。

長男が自宅を相続したら、他の子たちは何ももらえません。

でも、長男が他の子たちに
2000万円ずつ支払えばバランスがとれます。

その調整用の資金を生命保険を使って作ることもできるのです。

 

相続放棄対策

相続をしたら借金や個人保証のリスクまで背負ってしまいます。

事業に無関係の相続人候補としては、
それは避けたいと思うかもしれません。

しかし、ただ相続放棄をすれば、
今度はなにももらえなくなってしまうのです。

こんなケースを想定して、
生命保険の受取人にしておくのはどうでしょうか。

生命保険は相続とは異なるので、
仮に相続を放棄していても死亡保険金を受け取ることができます。

生命保険を利用することで、
相続放棄で負のリスクを断ちつつも、
資産を手にする設計ができるのです。

当面の相続手続き用資金として

故人名義の預金などは、相続発生により凍結され、
遺産分割が終わるまで手をつけられなくなります。

数カ月は使えないと思っておいたほうがいいでしょう。

しかし相続が発生すると、
葬儀などいろいろとお金が必要になる場面があります。

生命保険ならばすぐにお金がおりるので、
当面の運転資金を助けてもらえます。

 

利益を圧縮して株価を下げる

損金参入できる保険ならば、会社の利益が減ります。

ひいては株価が下がるので、
株式の移転や相続税対策につながることもあります。

 

自己株式取得のために

相続税の納税資金が足りなくなる場合に、
会社に自社の株式を買い取らせる場合があります。

この自己株式を買い取るお金を生命保険を利用して作ることも考えられます。

その場合、先代社長を被保険者にし、受取人は会社です。

先代がお亡くなりになったときに会社に死亡保険金が入ります。

そのお金を使って後継者から会社が株式を買い取ります。

後継者は株式の売買代金を手に入れることができ、
それを納税資金にまわせるのです。

→ 社長の相続対策・遺言作成支援

 

05.外部の後継者の探し方

どうやって継業の相手を探せばいいのか?

後継者を探してみようと思ったところで、
次の疑問は
「どうやって相手を見つければいいのか?」だと思います。

しかし現状では、確立された方法はないということに
なってしまうのでしょう。
事業継承の特効薬としてМ&Aがすすめられるケースがあります。

中にはそれで廃業を免れたケースもあるのでしょう。

しかし、その取引の実態を考慮すれば、
いかに敷居の高いことかがわかります。

会社の売却を希望したところで、
実際に売れる会社はそのうちごく一部です。

М&A会社には仲介手数料として、
何百万から何千万円のお金が軽く動きます。

とても後継者不在の問題を解決する策とは言えない状況なのです。

このサイトでは小さな会社を想定しています。

ここでイメージしている外部の第三者は、
何千万も出して会社を買える人でもないのです。

通常のМ&Aはあまりに高値の花であります。

 

外部の後継者を見つける取組み案

小さな会社や、いわゆる普通の人への事業継承を
実現する仕組みが現状は存在していません。

ゆえに「こうすればいい」という解決策を提示することはできません。

それでも動いてみないことには問題は打破できません。

いくつか手を考えてみましょう。

 

行政等のマッチングシステム

行政やその関連団体、
商工会議所などが事業引き継ぎの窓口を作っている場合があります。

少しずつ機能しはじめているところもあるようです。

声をかけてみて、支援のスタイルを聞いてみてもいいかもしれません。

実績なども詳しく聞いてみましょう。

しかし、全般としてはまだまだ形式だけに
とどまっている場合が多いと思います。

従来のМ&Aの発想であったり、
相談員等の事業継承の現場への理解の浅さであったり・・・

そんなに期待できないのかもしれません。

 

インターネットで後継者を探す

探してもらうのではなく、
いっそのことご自身で直接探してみてはいかがでしょうか。

今ではインターネットの普及で、
相手を見つけられる可能性は格段に増えています。

社長が自ら声をあげれば、可能性が拓けます。

仮に社長自体のつながりが少なくて相手に届かなそうでも大丈夫。

大切な情報だと思えば、その声を他者が広げてくれます。

それがインターネットの時代です。

私も自身のFacebookやブログ等を活用して
事業の承継希望者を探したことがあります。

実際に見つけた例もあります。

大切なことは、情報をオープンに出すことです。

 

事業継承の仕組化に思うこと

事業継承は社会にとっても大切です。

しかし、問題解決にはなかなか近づけていません。

小さな会社やお店が受け継がれる仕組みがほしいところです。

ポイントは二つあり、一つは後継者がいない「継げる会社」を掘り起こすこと。

もう一つは、興味がある若者を見つけることです。

後者についてはインターネットの活用で見つけることができるでしょう。

だから前者の「継げる会社」の発掘さえできればいいのです。

しかし、これはデリケートな問題のため難しい点があるのも事実。

私の感覚では、こんな案件を発掘する人間と社長との間に
「顔の見える関係」があることが必要なんだろうと思っています。

そのため、街単位や産地ぐらいの小さな単位で
取り組んでいくのがいいのではないか、と思う次第です。

 

→ 第三者事業継承の支援について

 

会社の「継がせ方」トップ(子供、従業員、第三者へ)

子供か従業員、それとも第三者に会社を承継?

「誰に会社を継がせるか?」

お子様や従業員さんの場合が後継者となる場合があるでしょう。また、まったくの第三者に継がせるかたち(継業)もあるかもしれません。

関心のあるページのタイトルをクリックして、先にお進みください。

 

会社の「継がせ方」のトピックス

事業承継の後継者選びの概論

「誰に事業を引継ぐか?」

後継者を選ぶものさしなどについて

「子供の後継者がいない場合の事業はどうすれば?」

子供が後継者にならない場合の発想と取組み方

 

子供を後継者とする事業引継ぎ

「子供への事業承継の概論」

子供を会社の後継者にする場合の概論と問題点

「“経営権”を後継者たる子供に譲る」

後継者がリーダーシップを発揮できるように

「“株式”を子供に継承する」

株式を譲渡し会社の所有権を譲る際の方法と課題

「事業継承の“後継者育成”を考える」

後継者が社長業を担えるようにするための教育は?

「借金が大きくなり過ぎた事業引継ぎ」

借金が大きすぎる場合や赤字事業を抱えるさいの事業継承のテクニック

「事業承継税制について」

あたしくなった事業承継税制について解説

「事業承継の『経営者保証ガイドライン』を斬る」

経営者保証ガイドラインの事業承継の特例について、独自の目線で解説

 

第三者の後継者への事業承継のトピック

「第三者への事業承継概論」

血がつながらない従業員や外部の第三者に承継する場合の概論

●「血のつながらない従業員後継者に株式を承継

血縁ではないからこそ株式を後継者に届けるための仕込みが必要

●「先代社長の個人保証を外したい

社長交代後は会社の借金のリスク当から逃れたいもの
銀行から個人保証を外させるにはどうすればいいか?

●「従業員には分社して承継する?

「従業員には株価が高くて会社が買えない」
こんな課題をクリアする方法を研究

●「継業とは?(外部の第三者へ承継)

外から後継者となるべき第三者を招へいする場合

 

事業承継のお手伝いついて

事業承継のご相談はお気軽にお声がけください。

「誰に相談してもしっくりこなかった」という方も、あきらめずにもう一度アクションを起こしてください。

問合せは、こちらのフォームから可能です。

 

●「事業承継デザイナー顧問」

継がせられる会社をめざした異常発見と体質改善

事業“承継”計画づくり支援

本格的に次世代への承継に動き出したい方へ

第三者後継者への事業承継支援

後継者が第三者の場合のご支援について

 

継業とは?(外部の第三者への承継)

『継業』の概要

バトンタッチのタイミングをむかえているのに、
会社やお店を継ぐ後継者がいない会社が増えています。

「ウチを継ぐ人なんていない」と
あきらめてしまっているケースも見受けられます。

一方で、赤の他人であった第三者を会社に招き、
承継させた事例もポツポツと増えているように感じます。

最近ではこのような事業承継のかたちを
『継業』と呼んだりするようです。

 

М&Aも第三者へ継がせるという意味では同じですが、
ビジネスライクな印象です。

また、自社よりも大きな会社に買われる場合が多いでしょう。

一方の、継業は人的なつながりを重視し、
投資行為ではなく、なりわいを受け継ぐようなイメージです。

承継する相手は個人で、
お金もそんなに動かない場合がほとんどだと思われます。

 

豆腐屋を継いだ継業の事例

私の支援した継業事例を紹介します。

ある商店街では、豆腐屋の店主が
「後継者もいないし、もう廃業する」
と言ってまわっていたそうです。

それを聞きつけた女性グループが、
店主に掛け合って「店を継いだい」と直談判しました。

もともと障がいのある人も一緒に働ける場を作ろうと
取り組んでいましたが、
思うように売り上げが作れずにいました。

そこで豆腐屋の話を耳にし
事業を新しい収益源にできるかもしれないと
考えたのです。
承継の申し出に対して最初は聞く耳を持たなかった豆腐屋の店主も、
その女性たちの本気に心を打たれて承諾しました。

ここから修行が始まりました。

3名で豆腐の製造と配達と事務を手分けし、
約2年の引きつぎ期間をもうけて仕事を習いました。

今では代替わりまで完了させ、
自分たちだけで製造から販売までを行っています。

新商品の開発やパッケージのデザインなどに取り組み
独自のファンも開拓しています。

 

後継者は一人でなくてもいい

この事例はなにも一人に継がせるばかりが
手ではないことを教えてくれます。

技術的なことの承継は本当に難しいですが、
役割を分担することで実現可能性が見えてくる場合があります。

「仲間と一緒に」というのは
今の若者と相性がいいスタンスでもあります。

 

他人だからかえっていい?

「赤の他人だと引き継がせることが難しい」と、
思われる方もいるかもしれません。

でも私は、かえってそちらのほうが上手くいくようにも感じます。

後継者が子供の場合、先代と関係が近すぎて
感情的な衝突などが起きやすいところ、
赤の他人ならばお互い尊重し合いやすいようです。

もちろん承継を進めていく途中で、
お互いが衝突したり、
ズレが生じたりすることはあります。

そんなときのために間に入って
調整してくれる人を用意しておければいいですね。

 

継業に意欲をもつ社長へ

後継者がいないから廃業すると言っている社長の潜在意識には、
「面倒なことはしたくない」という思いもあると思います。

廃業すればそれで終わりにできますが、
他人が入ってきてややこしいことになると困りますよね。

それでも若者に承継させてあげることを
考えてみていただきたいのです。

継業をした先代は、
自分のやってきたことが残せてよかったと喜んでいます。。

また、後継者から「継ぎたい」と評価され、
一緒になって承継に挑むことで
若々しい気持ちを取り戻すケースもよく見ます。

 

「ウチじゃ継いでも食えない」と判断する前に・・・

業界の先行きの厳しさや景気から、
うちの会社や店を継いでも食べていけないと、
継業を断念してしまう方がいます。

でもやってみなければ分からないし、
仮に成功できなくても
それは先代社長の責任ではありません。

先代の役目は機会を提供することで、
それを活かすかどうかは後継者次第なのです。

この機会を提供してあげるということが、
相手にとっても、社会にとっても、
ものすごく重要だと思います。

若者は柔軟な発想で思いもよらぬやり方で
会社を盛り上げてくれるかもしれません。

 

【参考サービス】

第三者後継者への事業承継支援

「事業承継デザイナー顧問」
継がせられる会社をめざした異常発見と体質改善

事業“承継”計画づくり支援
本格的に次世代への承継に動き出したい方へ

次世代後継者支援について