奥村聡(事業承継デザイナー)
NHKスペシャルで「会社のおくりびと」として取り上げられた奥村聡が現場で培った経験を元に話します

飲食業の事業承継・m&A・廃業

飲食業の事業継承や廃業等を考える

飲食業の「出口」について考えてみましょう。

 

飲食業の事業継承は?

飲食業の事業継承というと・・・

かなり難しい面があるのが事実です。

チェーン店化に成功するなど、
事業のかたちが出来上がっていれば話は別です。

そんな会社ならば
そのまま経営者が変われば続けることができるでしょう。

しかし、そんな会社は飲食業の中のごく一部にすぎません。

多くは個人事業やそれに近い大きさで、
社長(または店長)と料理長が同一だったりするものです。

要は、人が最大の売りであり、
その人ならではの味にお客さんがついているのです。

 

そのような背景を当人たちも分かっていて、
事業継承に積極的な小規模の飲食業の店や会社は少ないものです。

ただユーザーの視点からすると
愛着を持って通った店が無くなってしまうのはさびしいもの。

どうにかならないものでしょうか。

案外「店と味を承継させるから希望者は来なさい」と
募集をかけたらチャレンジする人はいるのかもしれません。

SNSの時代なので
該当者を見つけられる可能性は高くなっているでしょう。

労働の対価だってバイト料で十分だと思うし、
場合によってはなくてもいいのかもしれません。

あくまでその人に教えてあげるのであり、
店を引き継げるという大きなメリットが用意されているのですから。

店のお手伝いが目的ではなく、後継者が投資すべき話なのです。

思い切ってオープンに後継者を求めてみてはいかがでしょうか。

いずれ店を閉じることになるなら、
ぶっちゃけてしまったほうが良い縁を呼び込めます。

その事前準備としてレシピやノウハウを
整理しておくといいかもしれませんね。

 

飲食業のМ&Aなら

事業継承同様、
飲食店のノウハウやお客さんを承継するのは困難なので、
あまりМ&Aには向きません。

しかし、組織化されたチェーンの飲食店ならば
買い手がつく場合もあります。

すでに飲食店のチェーンを持っているグループが、
自社にない分野にも進出したい場合などです。

たとえば、イタリアンのチェーンをやているグループが、
リスク分散のために日本食のチェーン店を買収して、
新たな展開を狙ったり、と。

いずれにせよ、飲食業は浮き沈みが激しので、
買い手からの評価は低くなりがちな業界です。

 

飲食業の廃業・清算なら

店をたたむ場合は、『物件の後処理』が一番大きなポイントになります。

賃貸物件の場合は、契約上、
原状回復をして返還する約束になっている場合が多いはず。

しかし、店舗を元のかたちに戻すにもお金がかかってしまいます。

もし「居ぬきで利用したい」という
次の利用者を見つけてくることができれば、
そのコストを削減することができます。

なお、原状回復においては
「どこまで直すか」で、大家とトラブルになりやすいところです。

早めに退去の通知を大家に出すことも忘れてはいけません。

前通知の期間が長くなっている場合もあるためです。

 

所有物件で飲食店を営業していた場合は、
上記のような問題はあまりありません。

以後、どのように物件を利用していくのか考えてみましょう。

良い立地にあるのにシャッターを閉じたままではもったいないし、
地域的になイメージダウンにもつながってしまいます。

 

プロフィール

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は850社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられたコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?
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