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会社を立て直したい?それより、お金をもらって終わりにしません??

ちょっと前に従業員50人ぐらいの会社の
株主から相談がありました。

65歳ぐらいの方々です。

「社長が一生懸命働かない」とか。

「年々業績が悪くなっている」と。

だからアドバイスをくれということです。

 

その会社は株主たちの父親が創業し、
今は次男が社長をしています。

他の子供たちが3人いますが、
みんな株主です。

この方々は、父が創った会社を、
「一族の会社」ととらえていました。

 

 

目次

法律の正しさは解決を導かない・・・

 

僕のところに来る前に
弁護士に相談をしたこともあるそうです。

するとこんなアドバイスが出ました。

「株主の権限を使って社長を更迭してはどうでしょうか。

または、株主総会で株主の一人を役員に選任し、
社長を監視するのもおすすめです」

 

この回答どうでしょうか?

たしかにそうなんですが・・・

正しいことは正しい。

ただ、机上だけで成り立つロジックのようにも思えます。

法律上は正しくても、
なかなか現実はそう上手くいかないものでして・・・

 

簡単な話、今の社長を辞めさせたら誰が社長をやるの?

ここであっさり引っかかってしまうのです。

 

お目付け役をつける案も同様です。

そもそもお目付け役を付けたり、
誰かが経営に口を出せば業績は回復するのか?

僕の感覚ではまずそんなことはありません。

他人の口出しは基本的に
経営の邪魔にしかなりません。

そして、中小企業の社長の首に鈴をつけることも
難しいでしょう。

お目付け役がついたぐらいで、
長年の習慣が変わるとは思えません。

結局何を言っても
「だったら、あんたが社長をやってみろ」
と跳ね返ってくるような気も。

 

一族の会社?

 

僕は株主たちの「一族の会社なんだから・・・」
という意識を問題にしました。

たしかに財閥や大会社では
創業家という概念が通用するのかもしれません。

会社の存在が一族を満たしてくれるような。

 

でも今回は中小企業の話です。

社長次第でどうにでもなってしまう会社です。

活かすも殺すも社長次第なのです。

 

一方の今回の株主たちは、
父が創った子供たちみんなの会社、
という意識です。

あたかも会社を、
先祖代々続いてきた土地と同じように考えています。

 

現実と理想にズレがあるのです。

 

法律がどうなっていようが、
現実の中小企業では、
外野の株主の意向など意味はないと思ったほうがいいでしょう。

そして、外野である株主が騒げば騒ぐほど
業績をさらに悪くして、
より株の価値を下げるのがオチです。

 

 

だったら会社に対する認識のほうを
変えたほうがいいのではないでしょうか。

幸いにも
いまなら会社に余力があります。

このタイミングならば、
株をそれなりのお金に代えることができるのです。

経営にタッチしていない株主ならば、
そちらを選んで、もう会社から距離を置いた方が
賢明だと思うのですが・・・

絞っても何も出ない状態になってから
後悔しないように。

 

それでも、
「どうしても父の作った会社だから無視できない」
というならば、
自分が社長になって立て直すべきでしょう。

渦中の栗を拾うのです。

そこまでの覚悟はありますか?

 

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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