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社長と従業員では、仕事に対するベクトルが正反対・・・

 

出張で関東に来ています。

本日は、神奈川と東京で2つのアポをこなし、夜に名古屋で1件打ち合わせをしてから神戸に帰る予定です。

なにか名古屋めしを食べられればいいのですが・・・

 

 

組織再編を視野に入れた、グループの将来に関する相談が昨日ありました。

ステータスも家賃もすごく高い、有名なビルにオフィスがあります。

社長は、男の僕が惚れてしまうカリスマ性を持ち、著書もあって有名な方です。

関われるだけでテンションが上がってしまいます。

3、4年前からのお付き合いです。

 

「僕は、奥村さんという『人』に付いている客なんですよね」

社長とのやり取りで、こんな言葉をもらいました。

でも、社長としては「人にお客さんが付くような事業はやりたくない」と。

 

仕組みにお客さんが付いていれば、たとえ担当者が変わってもお客さんは会社に残ります。

でも、人とお客さんが結びついている場合、その人が辞めてしまったらお客さんもいなくなってしまいます。

過去の経営経験も含め、そういう「人にお客さんが付くような事業はやりたくない」と、その社長は考えていらっしゃるのです。

経営経験のある方なら、その気持ちよくわかりますね。

その一方で社長は、人で選んで奥村を指名してくれている、と。。。

「矛盾してますよね」と、二人で笑いました。

 

雇う側と、雇われる側。

フラットな関係が理想ですが、立場の違いからくるズレはあって当然のようです。

 

事業主は、仕事を「誰でもできるもの」にしたがります。

そうしないと人を頼りにしなければいけなくなります。

人を頼りにしなければいけないということは、先述のように、その人が会社を辞めたときのリスクが高まります。

また、事業を大きく展開するときにも、人が制限になってしまいます。

誰でもできる仕事でなければ、サービスや商品を広く供給していくことができないのです。

 

一方の従業員の立場になって考えてみたらどうでしょうか。

誰だって、代わりがいない人間になりたいはずです。

代わりがいない人になれれば、立場は安定するし、発言力や交渉力も増します。

とくに今のような、仕事に自己実現が求められる時代となれば、オンリーワンへの欲求はより強くなります。

誰もが、できることなら自分にしかできない仕事をやりたいのです。

 

 

仕事を誰でもできるようにしたい事業主と、自分だけの仕事にしたい従業員。

個人に頼りたくない社長と、頼らせたい社員。

出発点から正反対。

ものすごく矛盾しています。

 

良いとか悪いとかの話ではなく、仕方がないことなのでしょう。

そもそも立場が違うのですから。

そして、こんなベクトルの違いを「そんなものだよね」って認識できていることも、良い関係を保つために大切な気がしました。

互いを認識できないと、すれ違いは止まりません。

 

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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