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遺産分割が紛糾しないための対策は?

自分の相続について「うちは大丈夫。もめることなんてありえない」と言っていたのに、その人が亡くなった後で相続人が揉めてしまった……というケースはよくあることです。

相続の話し合い、いわゆる『遺産分割』についてはトラブルが起こって当然だと思って損はありません。

「戸籍を調査していたら隠し子の存在が発覚した」のようなドラマみたいな展開がなかったとしても、なんらかのトラブルが起きて普通なのです。

 

身内が死に、家族の間でお金や法律の話をする。

そんなときには過去から溜めてきた不満が爆発しやすく、ちょっとした一言で引くに引けない状況になってしまったり……。

はた目にはスムーズに話がまとまったように思えるケースでも、本音を聞いてみたら「身内とお金の話をしてザラついた気分になった」とか「妹があんなに意地汚い子だとは思わなかった」などと、心の傷を負っているケースがよくありました。

 

人が亡くなるということは普通ではないのです。

想定外のことだって起こります。

また感情的な問題以外でも、話がまとまりづらいケースはあります。

 

たとえば、故人が遺した財産が自宅しかない場合。

そこに住んでいる相続人はそのまま住み続けたい。

でも、他の相続人に遺産分けするならば売るしかない。

こんなケースではどうにも話がまとまりません。

 

ここまでは一般の相続の話をしてきましたが、事業主となれば、株式や事業権の話も加わります。

後継者が株式などを相続しつつ、遺産分割をまとめるとなると、難度はより高まります。

法律上の相続分通りに遺産を分けようとしたため、他の相続人は不動産や金銭を相続できたのに、後継者はお金に換えることができない自社の株式だけしか相続できなかった……という不公平な結果になることもあります。

遺産分割、いわゆる遺産分けは難しいものです。

この点をまずはご認識ください。

 

遺産分けを上手にクリアする一番の方法は、「遺産分割をさせない」ことです。

故人が、生前のうちに遺言などの法的ツールを利用して遺産の分け方を決めてしまえば、相続人らが話し合いをする余地をなくしてしまうことができます。

トラブルやもめごとの種を無くすことができるのです。

もちろん、その遺言などの使い方や内容には注意が必要です。

内容や手続面のミスはせっかくの準備を台無しにしてしまいます。

 

実際に相続が発生してから打てる手はわずかしかありません。

やはり、生前からの仕込みが大切になります。

また、『事業継承』という観点からも、相続が発生してから事業承継がスタートするようでは遅すぎるのです。

社長やオーナーが存命のうちに決着をつけるべき問題です。

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この記事を書いた人

奥村 聡(おくむら さとし)
事業承継デザイナー
これまで関わった会社は1000社以上。廃業、承継、売却・・・と、中小企業の社長に「おわらせ方」を指導してきました。NHKスペシャル大廃業時代で「会社のおくりびと」として取り上げられた神戸に住むコンサルタントです。
最新著書『社長、会社を継がせますか?廃業しますか?』
ゴールを見すえる社長のための会【着地戦略会】主宰

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